「太ったポルシェ」?! ヘンテコな姿の車に込められたテーマとは?

Xavier Hufkens

オーストリアで最も重要で国際的に有名な彫刻家の1人であるエルウィン・ウームは、1980年代から彫刻の概念を広げることを目的として活動している。彼は、形を自由自在に変えたオブジェを生み出すことも得意としており、代表作に「ファットカー(太った車)」というシリーズがある。

ウームのファットカープロジェクトは、「消費者文化と西洋文化の物質的なオブジェクトへの欲求を批判する」というテーマが込められている。彼は、かつて多くの消費者が大きな車や大きな家を持っていることに魅了されていることを批判した。そして、この作品を通して車を太らせて大きくすることによって、その消費者文化を風刺しているのだ。車は現代文化におけるシンボルのようなものであると捉えているため、こうして物理的な形で示すことにしたという。彼の作品には、「ファットハウス」も存在する。



ファットカーの製作プロセスは、ボディパネルだけが残されたポルシェ911やVWバスといった、よく見かける車の周りに発泡スチロールを付けていき、削っていく。その工程を繰り返し、ペイントを施して完成となる。一見すれば、ユーモアあふれる作品、という印象を抱くかもしれないが、上述したように社会風刺を込めたからこその姿であるのだ。



彼は、自身の作品についてこう語っている。「少なくとも、私の作品テーマが"ユーモラス"であるという見解は間違っています。 私の作品のユーモラスな側面は、最初に抱く表面的なものかもしれませんが、その段階を超えて、見た人が真のテーマをくみ取ることができれば作品はより深い意味を持ちます」

今後も彼が生み出していく作品に注目していきたい。

オクタン日本版編集部

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