「ファミリー・オリエンテッド」その車に合ったライフスタイルを構築していく

世界とのつながりは、家族や組織と共に、コミュニケーションを大切にすることから始まる。

オクタン読者ならば、ザ・ロイヤル・オートモビル・クラブ(RAC)という名を耳にしたことはあるかもしれない。和名ではイギリス王立自動車クラブと称されるこの組織は、世界有数の会員制自動車クラブのひとつであり、創立は1897年と120年以上の歴史をもつ英国最古の自動車会員組織である。RACには個性の異なる二つのクラブハウスがあり、そこにおいて会員は、一流のサービスを享受することができる。
 
ひとつはロンドンのセント・ジェームズ・エリアの中心部にあるペルメル・クラブハウス。都市の喧騒から離れた居心地の良い聖域にあり、厳選されたメニューのレストランやバー、ユニークな宿泊施設、プライベートダイニング、スポーツ施設、そしてロンドンでは最高グレードのスイミングプールがあり、会員がゆったりと楽しめる空間となっている。

RACのひとつのクラブハウスはロンドン中心部ペルメルにある。ペルメルはシティ・オブ・ウェストミンスターのセント・ジェームズ地区にある通りであり、17世紀に行われた球技に由来する。 
 
もうひとつはウッドコート・パーク・クラブハウス・アンド・エステート。サリーにある350エーカーの美しい田園地帯には、ゴルフコースが二つ、スカッシュコート4面、6つのテニスコートにモダンなジムや屋内スイミングプールが用意される。そしてトリートメントルームと、もちろんレストランやバー、ホテルも備わっている。

RACには厳格なドレスコードがあり、メンバーとゲストしか利用することができない。ロダンダを抜けるとグレートギャラリーというレストランがある。ヴェルサイユ宮殿の鏡の間からインスピレーションを受けているという。

 
そして何よりメンバーへのハイライトは、会員とそのゲストを楽しませるための広範なイベントカレンダーである。ふたつのクラブハウスでは毎年約200ものイベントが開催され、国際的に有名なロンドン・モーターウィークから、ブライトン・ヴェテラン・カー・ラン、エプソム・ダービー、ミッドサマードライブインなどが開催される。またモーター関連企画以外にも、バレエやオペラやジャズのパフォーマンスなどが用意されており、年間を通じてメンバーを飽きさせない、正に紳士のための社交場である。イギリス王立自動車クラブは、「英国のスピリチュアル・ホーム・オブ・モーター」として、正に由緒正しいクラブとして知られているのだ。
 
さて、ここではそのクラブに所属している日本人メンバーを紹介したい。本誌でもその様々な活躍を取材している大里研究所の林幸泰理事長である。林(以下敬称略)は実際のところ自動車愛好家ではあるが、クラシックカーの世界に足を踏み入れたのは、それほど古い話ではない。

大里研究所にてインタビューに答える大里研究所理事長の林 幸泰氏。予防医学の研究、家族との過ごし方、そして車選びやライフスタイル設計に至るまで、林の考えは「ファミリー・オリエンテッド」が貫かれている。

 
林は「車を愛する人生の楽しみ方」をとても深く理解しているが、いわゆる「クラシックカーが命」いうタイプではなかった。もともと英国車には興味があったので、車歴はランドローバー90や110、レンジローバーなどからスタートして、それから英国車を中心に多くの車を乗り継いできた。そして林が大事にしている考え方は「ファミリー・オリエンテッド」であり、とにかく家族や妻を大事にするということであった。

はじめて手に入れた戦前モデルのアストンマーティン。1937年製で車名は15/98である。ニューポートパグネルのアストンマーティンワークスで完全にレストアされている。


「英国車は家族皆で楽しめることが魅力です。三人の子供たちが小さいときから家族で毎年スキーやキャンプに出掛け、強行軍で北海道まで自走したこともありました」

英国でもランドローバー本社が準備したレンジローバーで、家族とともに数回ウインダミア、スコットランド、ウイスキーロードを通って、レイクロホを目指す。自身がゴルフ好きなこともあり、セントアンドリュースでプレーをするためしばらく滞在するなど、いかにも英国的なロングドライブを楽しむこともあった。

「家族との繋がりのなかに、イギリス車というスタイルは正にぴったりでした。私は基本的に4輪駆動が好きで、ずっとSUVを乗り継いできました。一方で英国車にはしっとりと楽しめるスポーツカーもたくさんあります。子供たちが育っていき家内と二人で過ごす時間が多くなってきたので、もともと興味のあったアストンマーティンを購入しました。今から20年以上前にブロックスハム工場最後となるDB7ヴォランテの最終製造車両をビスポークしたのです。DB7はもちろん今でも大事にしていますし、ずっと満足しています」
 

文:オクタン日本版編集部 写真:サジ ヒデノブ、大里研究所、王立自動車クラブ Words:Octane Japan  Photography:Hidenobu SAJI , Osato Research Institute , The Royal Automobile Club

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