その乗り心地はいかに?EVになったジャガー Eタイプに試乗!

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哲学者と神学者は数世紀に渡って、魂と身体の形而上学的なつながりについての論争に時間を費やしてきた。そしていま現在、ジャガー・クラシックはEタイプ・ゼロ魂(EV化されたエンジン)と身体(クラシカルなボディ)の相関についての実証実験ともいうべき、エレガントなフォルムをまとったEタイプ・ゼロを生み出している。

この車はシリーズ1 EタイプのEVバージョンで、40kW/hのバッテリーパック、190kWのモーター、また3.8リッター直列6気筒エンジンおよび、トランスミッションで埋められていたスペースに単一減速ギアボックスを備える。昨年、我々はコンセプトカー製作のアイデアについての記事を記した。このコンセプトカーは、イギリス王室の結婚式においてハリー王子が花嫁を乗せて会場へ向かったことでも注目を集めた。



そしてこの車で連れて行くというかたちでフューチャーされた。現在、ジャガー・クラシックでは、ファクトリーで通常おこなわれているEタイプのレストアである“リボーン”と並行して、カスタマー向けにもEタイプ・ゼロの生産を開始するということも発表している。

パワーユニットは疑いなく優秀だ。クロアチアのEVスーパーカーメーカーであるリマック・アウトモビリと共同で開発され、オリジナルのXKエンジンとマニュアルトランスミッションよりもわずかに軽量で、大きな構造上の変更なしでEタイプに取り付けることができる。
 
コンバージョンは元に戻すことが可能で、ジャガー・クラシックは、オーナーが元に戻したい場合に備えてオリジナルのパワートレインを保管しておくように促すだろう。アクティブなバッテリー冷却システムはなく、Eタイプ・ゼロにはテスラのような急速充電が備わっていない。そのため、バッテリーの充電には約7時間かかり、実際の走行可能距離は約150マイル(約240km)ほどになる。また、充電ポートは、オリジナルの燃料フィラーキャップの下に隠されている。


 
私の行動範囲はモントレーの通りに限られるため、ジャガー・クラシックが主張する0-100km/h(0-60mph)加速が7秒未満であることを確かめる機会はない、市街地を走る速度でもEタイプ・ゼロは機敏で反応が良いと感じる。踏み出すとその加速は力強く、メカニックな連動によって動作するシリーズ1とは別れを告げるものとなるだろう。XKエンジンらしいサウンドの欠如は、大きな問題ではない。電動モーターを急加速させると大きな音を立てるが、それ以外の場合では静かに動作する。直列6気筒エンジンの音がないにもかかわらず、クラシカルなオープンカーの構造から想像されるボディのきしみ音は特に見られない。公道では、エンジン音の小ささがより重要視されるはずだ。

いわば自動車の心臓移植にも関わらずテスト車両はオリジナルのサスペンションを備えたEタイプ・ゼロは、見慣れた内燃機関をそなえる“兄妹”と同じ姿のままに操舵される。乗り心地はしなやかで、ステアリングは常に饒舌、電動モーターは停止状態からピークトルクをすぐに生み出せるが、トラクションは安全に感じられる。また、電子制御は備えていないが、滑る路面を考慮しモーター出力のピークを下げることができる。キャビンには、カーボンファイバー製のダッシュボードとデジタル機器、およびタッチスクリーンインターフェースが搭載されている。ジャガー・クラシックでは、電動パワーステアリングやエアコンのオプションだけでなく、はるかに伝統的でクラシカルな仕上がりを提供すると述べている。



あのクラシカルなEタイプの体験を、EVモデルでも得られるのか否か?率直に言うと、“ノー”だ。それは音を消されたシンフォニーのようであり、五感を遮断されたスポーツカー体験のようなものだ。しかし、かつてのモデルを直接的なライバルにすることが意図されたモデルではないのだ。EV化に対する初期の関心の多くは、自らのコレクションに「似て非なる」何かを追加したいというEタイプのオーナー達の要望からきているといえる。
 
動力装置のモジュラーの特徴により、ジャガーはXK6エンジンを搭載した他のモデルのEVバージョンを提供できると述べた。このことが我々を悩ませる…テスラの代わりにEV XJ6シリーズ1はどうだろうか?

文:Mike Duff 訳:オクタン日本版編集部

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