バーチャルツアーも!偉大な2人の交友関係を称える展覧会 エンツォ・フェラーリ ミュージアムで開催

ferrari

モデナのエンツォ・フェラーリミュージアムでは、フェラーリがジャンニ・アニエッリのために製作したワンオフモデルや、アニエッリとの緊密な協力関係のもとでカスタマイズされた車を集めた新しい展示"ザ・エレガンス・オブ・レジェンド"をおこなっている。

"ジャンニ・アニエッリとフェラーリ:ザ・エレガンス・オブ・レジェンド"は、ジャンニ・アニエッリの生誕100周年を記念したものだ。マラネロ・ブランドが、まず第一に忠実な顧客として、そして後には親密な親友やパートナーとしてかかわった、偉大な礎の一人に捧げるオマージュとなる。

ジャンニ・アニエッリは幼い頃から跳ね馬を愛し、特別バージョンを提案する際には、一貫して礼儀正しく敬意を払っていたという。一方、エンツォ・フェラーリは、工場と密接な関係にあり、特別なプロジェクトに精通している顧客の影響力、美的センス、個性が、先見性のある選択を成功させる可能性があることを認識していた。2人の緊密な関係は、比類のない美しさと魅惑的な車のコレクションを生み出し、ジャンニ・アニエッリはそれらを控えめに運転していた。

そのひとつが、エレガントなフェラーリ166MMである。1948年に開催されたトリノ・モーターショーでこの車に魅了されたアニエッリは、その流麗なラインを表現するためにまったく新しい言葉を生み出した。それ以来、「バルケッタ(小さな船)」という言葉は、この分野ではオープントップのレーシングカーを指す言葉として使われている。166MMは、緑と青のカラーリングと特注のキャビンでカスタマイズされており、アヴォカートという愛称で親しまれていたアニエッリのために作られたフェラーリ初のワンオフモデルだった。この特別な顧客の個性に合わせて作られた次の車は、1952年のフェラーリ212インターで、洗練されたディテールとまったく新しいトレンドを生み出すスタイリングが与えられた。





アニエッリとエンツォ・フェラーリの関係が確立されると、1959年にはフェラーリ400スーパーアメリカという傑作が誕生した。ピニンファリーナがボディと装備を担当したこのワンオフモデルは、フェラーリのグランドツーリング・スタイリングに新たな1ページを開いた。

1966年 365Pスペチアーレは、レースの世界で培われたラインを持っている。ピニンファリーナはこの車を、センターに運転席を配した3人乗りのプロトタイプで見事に表現した。 ジャンニ・アニエッリに依頼されたバージョンでは、独特のエレガントなシルバーのカラーリングに、ベルトラインに沿って細長いブラックのモールディングが施されている。

1984年、フェラーリは伝説の名車「テスタロッサ」を発表したが、この車にはオープントップ・バージョンは計画されていなかった。しかし、その2年後、アヴォカートはピニンファリーナにこの名車のスパイダーバージョンを依頼した。新デザインのエンジンリッドなど、非常に洗練されたディテールを備え、ソフトトップにはマグノリアホワイト、ボディワークにはニュルブルクリンクグレー、キャビンにはネイビーという彼のシグネチャーカラーが採用されたのである。

ジャンニ・アニエッリのコレクションに欠かせないもうひとつの画期的なアイコン、それがフェラーリF40である。1989年にアヴォカートがオーダーしたのは、珍しいブラックファブリックのシート表皮とヴァレオ社製の電子クラッチを装備した特別バージョンであった。



2000年、再びピニンファリーナに依頼し、360スパイダーをベースにした究極のワンオフ・バルケッタを製作した。シルバーグレーにエレガントなブルーを組み合わせたカラーリングのこの車は、当時フェラーリ会長だったルカ・ディ・モンテゼモーロ氏の結婚祝いに贈られた。

展覧会の開催にあたり、フェラーリのジョン・エルカン会長はこうコメント。「この展示会は、素晴らしい出会いを物語っています。この展覧会は、世界で最も美しい車が運転を愛する人々に呼び起こす興奮と、私の祖父がマラネロの車に抱いていた多大な尊敬と真の情熱とを結びつけたものです。祖父は、所有するすべてのフェラーリを特別なものにするために情熱を注ぎ、私たちはそれをすべての愛好家と共有できることをうれしく思っています」

副会長のピエロ・フェラーリは、偉大な2人が共有していた尊敬の念を回想する。「私の父は、アヴォカートのビジネスにおける力、洞察力、能力に感銘を受けました。二人は直感的にお互いを理解し、その関係は何年にもわたって強化され、1969年には自動車業界で最も強力なパートナーシップを構築するための契約に至りました。私はその歴史的な日に父と一緒にいて、アニエッリに会うことができました。それ以来、フィアットが彼のそばにあることで、私たちの会社には継続と発展が保証されていると感じました」

また、4月1日まで毎日2回、約30分間の無料バーチャルライブツアーが開催される。Ferrari.com/it-IT/museumsから予約を受け付けている。

オクタン日本版編集部

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