イタリアンラグジュアリーの殿堂へようこそ|ポルトローナ・フラウの魅力を学ぶ

Poltrona Frau

高級家具の本場といえばイタリアだが、数あるブランドの中でも高いステイタス性を持っているのが、ポルトローナ・フラウである。卓越した職人技と最高品質の素材から生まれる美しい家具たちは、空間に華やぎを与えてくれる。今回はブランドの歴史や新作モデル、そして注目デザイナーのインタビューから、このブランドの魅力をより深く学んでいきたい。

History


地方色が豊かな地場産業が強いイタリアでは、古くから木工や皮革加工技術を生かした家具生産が盛んだった。その多くは家族経営の小規模会社であり、レンツォ・フラウによって1912年に設立された家具会社Poltrona Frauも、始めは小さな家具工房だった。この名はイタリア語で"フラウ氏のアームチェア"の意で、創成期から革張りのアームチェアなどを製作していたことに由来する。

創業年の1912年に誕生したソファ「チェスター」。「カピトンネ」と呼ばれるボタン留めやアーム部分のレザーのプリーツなど、繊細な技術を用いた贅沢な仕上げが特徴。W208×D91×H73(SH49)cm。253万円

同社がステイタスシンボルとなったきっかけは、1926年からイタリアの王室「サヴォイア家」の御用達ブランドとなったことだった。1928年に開催されたトリノ万博でパビリオンの内装や豪華客船の内装を手掛けると、その後も次々と大きなプロジェクトを成功させていく。さらにレンツォ・フラウがデザインし、1930年にデビューしたアームチェア「バニティフェア」が、柔らかで優美で官能的なフォルムを評価され世界的に大ヒット。多くの富裕層が、ポルトローナ・フラウの名を知ることになったのだった。

1930年にデビューした傑作「バニティフェア」。柔らかな曲線を描くようにレザーを張ることで、存在感はあるが、愛らしいフォルムになる。まさに美と技の融合だ。W94×D91×H99(SH48)cm。97万9000円

1962年に北イタリアのトレンティーノに本社や工場を移設するが、これは同地が皮革産業で有名なエリアであったから。そして最高の素材と最高の職人を得ることで、ポルトローナ・フラウの製品はさらなる飛躍を遂げることになる。ポルトローナ・フラウでは、多くのデザイナーを起用してきた。ガエ・アウレンティやカスティリオーニ兄弟、ミケーレ・デ・ルッキ、ジャン=マリー・マッソーなどの創造性を具体化するのに、素材や職人技術は欠かせなかったのだ。

ポルトローナ・フラウの"アイコニックマテリアル"である「ペレ・フラウレザー」は、20もの工程をへて生まれる最高品質の素材。基本色74色、全165種以上を揃え、オーダーメイド感覚で家具を選ぶことができる。

ポルトローナ・フラウを語る上で外すことができないのが、最高品質の「ペレ・フラウレザー」だろう。同社では創業当時からこだわる素材であり、同時にブランドのシンボルでもある。しっとりと手に馴染む質感と柔らかなニュアンスを引き出すだけでなく、その染色技術も優れており、幅広く豊かな色調のレザーを用意している。そしてこの厳選された最高のレザーを家具へと仕上げるのが、熟練職人たちの手だ。精密な計測機器でもわからないような微妙な凹凸や厚みに違いを感じ取りながら縫製し、優雅で美しいプリーツを作り出す。いうなれば職人はアーティストなのだ。もちろん工場には最新鋭の機械が揃っているが、最終的に最高品質へと導くのは職人たちの手に委ねられており、それもポルトローナ・フラウの大切な資産となっている。

さらにはオクタンの読者であれば、自動車産業とポルトローナ・フラウの蜜月についても知っておくべきだろう。そのきっかけとなったのは1984年のこと。フェラーリエンジンを搭載した傑作「ランチア・テーマ 8.32」の内装を担当したことだった。その後ポルトローナ・フラウ・インテリア・イン・モーション部門を立ち上げ、高級車やヨット、飛行機のファーストクラスの内装も手掛けるようになる。クライアントはフェラーリやマクラーレン、マセラティ、ポルシェ、そして高級ヨットのパーシングなど。こういった世界屈指のラグジュアリーブランドとパートナーシップを結んでいることからも、ポルトローナ・フラウの凄さがわかるだろう。

シートや内装など、車内の複雑な形状に対して精密にレザー張りを施していく仕事は、熟練職人でなければ不可能だ。しかし多くのラグジュアリーブランドとの仕事を通じて技術を高めることは、メリットが大きい。

こういった前例なきチャレンジがポルトローナ・フラウの素材と技術を高める。デザイナーが提案する新しいプロジェクトや異業種とのコラボレーションは、常に新しい挑戦でもある。しかし斬新なフォルムや画期的な構造、高いレベルの品質を実現させるために、常に材料や製造プロセス、そして技術の面で常に革新し続けてきた。チャレンジすることで、ポルトローナ・フラウは100年を超える歴史を紡いできたのだ。

ポルトローナ・フラウの家具は、真のラグジュアリーとは何かを語り掛ける。妥協なき探究心から導き出される美しいフォルムと美しい素材が織りなす家具たちは、生活の質を高め得てくれるとともに、人々の美意識を養うことだろう。それが、ポルトローナ・フラウと暮らすということなのだ。


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文:篠田哲生 インタビュー写真:前田晃(MAETTICO) Words:Tetsuo SHINODA Photography:Akira MAEDA (MAETTICO)

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