実験というよりアートの域!?|ブガッティ チェントディエチの美しき風洞テスト

BUGATTI

ブガッティ チェントディエチは10台の限定生産で、そのすべてが約800万ユーロと高額にもかかわらず数時間のうちに完売した。このブガッティ110周年を記念して誕生したチェントディエチの風洞実験動画がyoutubeにて公開された。最新の設備を整えた施設での実験の様子は、チェントディエチの迫力、美しい気流も相まって芸術的な映像となっている。



生産台数に関係なく、ブガッティのすべてのニューモデルは完全な開発プロセスを経て作られる。ブガッティのワンオフおよびスモールオフプロジェクトのテクニカルプロジェクトマネージャーであるアンドレ・カリグ氏は、「時速350km以上で走行するハイパースポーツカーでは、エアロダイナミクスとダウンスラストで性能が大きく左右されます。そのため、開発者が事前に計算した目標値を達成することは困難を極めます。コンピュータシミュレーションと最初のプロトタイプのロールアウトに続いて、さらに風洞試験が行われ、テストコースやプルービンググラウンドでの高速テストが行われます」と述べる。



風洞に入った試作車を見ながら、開発チームは目に見えない部分を少しずつ変更していき、希望の値に近づくまで試行する。フロントディフューザーのフラップは微小な角度で調整でき、最終的に固定されるリアウイングも同様に数度の変更が可能だ。「理想的なセッティングを見つけた後も、チェントディエチがどのように反応するかを確認するため、他のセッティングも試しています」とアンドレ・カリグは言う。

風洞実験でブガッティのエンジニアは、様々な速度でチェントディエチの上や周りの空気の流れをチェックする。まず140km/hからスタートし、他のブガッティのハイパースポーツカーと比較するためのベンチマークとなる数値に設定、最高速度まで様々なテストを行う。「重要なのは、フロントアクスルとリアアクスルのダウンスラストのデータです。高速走行時のハンドリングを左右するので、これは正確でなければなりません」とアンドレ・カリグは説明する。



1,600 PSの8.0リッターW16エンジンの温度は、エンジンとギアボックスのオイルクーラーに空気を供給するサイドエアフローにも大きく影響される。エンジニアは、風洞で高性能システムのブレーキ冷却をチェックする。さらに、荷重を変化させながら素早くコーナーを曲がるときのハンドリングをシミュレートするために、風がさまざまな横方向の角度でボディワークに当たるテストも行われた。「どのような速度で、どのような走行状況であっても、チェントディエチは安定しており、その巨大なパワーにもかかわらず、常にコントロールが可能です」 とアンドレ・カリグは説明する。



2019年夏に発表されたチェントディエチは、約30年前にロマノ・アルティオーリがブガッティブランドを復活させた伝説のEB 110へのオマージュが込められている。EB 110は、1990年代のスーパースポーツカー。カーボンモノコック、550PSのV型12気筒ミッドマウントエンジン、4つのターボチャージャー、四輪駆動など、息を呑むようなデザインから独自のテクノロジーまで、すべてが新しく、当時の他のスポーツカーでは達成できなかった最高速度350km/hを実現したモデルだ。

EB110

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