50年の眠りから目覚めるか⁉|納屋に追いやられていたポルシェ356A

Jasper Palermo (C) 2022 Courtesy of RM Sotheby's

「バーンファインド」とは、文字通り「納屋で発見された」を意味することは、読者諸氏はすでにご存じのことだろう。今回紹介する、デンマークの納屋にしまいこまれていたポルシェ356A 1600カブリオレも、まさにバーンファインドの一台である。

1956年11月に製造されたこの車両は、デンマークのSkandinavisk Motor Companyを通じて新車で販売され、最初のオーナーには1957年3月30日に納車されたようだ。車両に付属するポルシェのサーティフィケーションには、1958年2月にメーカー保証のもとでトランスミッションの交換が行われたことが記載されている。





1959年6月11日に、この車は2番目のオーナーであるエスベン A. アブセン氏が購入した。その後、彼は2021年までこのポルシェ356Aを所有し続けることになる。妻への贈り物としてこの車を購入したアブセン氏は、1960年代から1970年代初頭にかけてこのカブリオレを家族で楽しんでいたという。



この間、オリジナルの1.6リッターエンジンは、オイルパンの漏れのために取り外され、よりユーザーフレンドリーなフォルクスワーゲンエンジンのエンジンに換装された。ちなみに、この車にはスペアとしてオリジナルのエンジンも付属している。







1970年代初頭以降、このポルシェは納屋に保管され、半世紀のときが流れた。アブセン氏はボディパネルと機械系統を保護するために定期的に車にオイルを噴霧したと言われている。2021年、88歳となったアブセン氏はついにポルシェ356A 1600カブリオレを手放すことを決意した。



半世紀以上の間、手付かずのままの状態だったこの車両は、マッチングナンバーのシャシーとエンジンを備えた状態で、RMサザビーズのオークションに出品中だ。レストアベースとして購入されるのか、このままの状態で保管していくのかは、新しいオーナーに委ねられることになるが、いずれにしても魅力的な車であることは間違いない。

オクタン日本版編集部

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