お値打ちロールス・ロイス シルバーシャドウを快適仕様にアップグレード

Justin Leighton

『Octane』UK版の寄稿者であるハリー・メトカーフの愛車は、2018年にeBayで4100ポンドで購入した1970年ロールス・ロイス シルバーシャドウだ。「アークティック(北極)・ロールス」というニックネームをもつこのシルバーシャドウは価格相応の状態だったというが、その真相は・・・?



「白いロールス・ロイスは極寒の風景によく似合うだろう」というだけの理由で、私は2018年に真冬の北極圏(アークティック・サークル)へ凍てつく旅に出かけた。7000マイルもの旅の間、気温はマイナス40℃まで下がることもあった。ちょうど大寒波“”ビースト・フロム・ジ・イースト”がイギリスを襲った頃の出来事だ。そんな道中での唯一のメカニカルトラブルが、コンタクトブレーカー・ポイントの故障だけだったというのは驚きだ。このトラブルはものの数分で解決し、私たちは旅を続行することができた。

その旅は私にとって、非常に思い出深いものとなった。多くのスーパーカーに囲まれていたにもかかわらず、このシルバーシャドウはその旅で不動の人気者となり、以来「アークティック・ロールス」として親しまれるようになったのだ。

しかし、問題はあった。eBayで4100ポンドで購入したこの車の安さの理由は、ボディワークが最良な状態ではないことだった。ボディのあちこちの状態がひどくなっているのを見て、少なからずショックを受けた。賢明かつ結果的に安価な選択肢は、これを売り飛ばして別の同じ車種を買い直すことなのかもしれない。いやしかし、そうすると私はもはや、「アークティック・ロールス」として親しまれるようになったこのロールス・ロイスの所有者ではなくなってしまう…





そこで私は、オックスフォードシャーのウィットニーにある地元のロールス・ロイス専門店、『D.E.W.カーサービス』のダニーに相談しに行った。ダニーは、以前はジャック・バークレー社に勤めていた人物である。彼のボディショップ「スマートリペアセンター」で状態を診てもらった結果、ボディの主要部分を定額で修理してもらうことになった。主要部分とは、運転席側のシル、ホイールアーチ×4、そしてフロントとリアのスカートだ。更に私は、修理の際に必要となるボディ補修用パネルを購入した。そして、ボディショップへ引き渡す前にロールスをD.E.W.に届け、一部を解体してもらった。

私は、全塗装ではなく、修理した部分のみを再塗装するよう依頼していた。というのも、このアークティック・ロールスは、快晴の日にしか外に出さないような箱入りピカピカの車ではなく、少しヤレたぐらいの”生活感”のある外観を残したものにしたいと思ったからだ。



ルーフ、ボンネット、トランク、ドアトップの塗装だけは手つかずで残った。それは本当に喜ばしいことだった。他の部分にはすべて新しいペイントが施された。ボディショップからD.E.W.に戻り、アークティック・ロールスにはトリム、バンパー、ライトなどのパーツがすべて再装着された。





さらに、ビルシュタイン製のダンパーも作業リストに追加した。乗り心地が劇的に改善されるという話を聞いていたからだ。その選択は正しかったようだ。

アークティック・ロールスがガレージに戻ってきたときの姿は、まるで新車のようないでたちだった。あまりの使い勝手の良さに、ロンドン中心部に乗って行くことすらある。街へ繰り出すのに、最高にリラックスできる車であることが実感できた。



今回のリペア費用は、すべて含めれば恐らく9000ポンドは費やしただろうが、これで次の冒険の準備は整った。「冒険」だけではなく、これからは私専用の街乗り車として使うのもいいかもしれない。

いずれにせよ、この車がガレージに戻って来てくれて、しかも快適仕様にアップグレードされたことがとても嬉しい。これから先もずっと乗り続けるつもりだ。


文:Harry Metcalfe まとめ:オクタン日本版編集部

文:Harry Metcalfe

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