総額なんと67億円!トヨタ2000GTやレクサスLFAも登場|フランスでのオークションを現地からレポート

Tomonari SAKURAI

前回のレポートに続いてもうひとつ、レトロモービルと同時期に行われたオークションのレポートをお届けしよう。今回お伝えするのはRM Sotheby’s オークション。昨年はリッツホテルのあるヴァンドーム広場の地下駐車場を特設会場にして行ったのだが、今回はルーブル美術館の一角カルーゼル・デュ・ルーヴルで行われた。

ルーブル美術館の一角で行われたオークション。美術館の展示としてもふさわしい。

到着したのはオークションが始まる直前で、下見会が終わりオークションに移るまでの2時間の準備時間のときだった。オークションに参加する人たちにシャンパンなどが振る舞われ、ちょうどオペラでいう幕間のような雰囲気のタイミングだった。

スタートしたオークション。カウンタックにしてはちょっと違和感。そう、これは子供用の小さなモデル。それでも399ccエンジン、2速のミッションを積んでいる。なんと600万円!

今回の一番の注目はブガッティ・シロン・プロフィレ。シロンの最終型のワンオフで製造された1台が登場し、13億円を超える価格で落札された。この価格はRM Sotheby'sオークションの新車落札価格の記録を塗り替えた。

同オークション歴代新車落札価格の記録となったブガッティシロン最後の一台。

同様に注目を集めたのはエントランスホールに展示されていた1991 年フェラーリ643。ジャン・アレジとジャンニ・モルビデリによってオーストリア、イギリス、フランスグランプリに参戦したモデル。こちらは5億円だ。

3.5リッターV12気筒を搭載した1991年の643。

106台中30番目に製造されたマクラーレン・スピードテールはワンオーナーで114kmの走行距離。こちらは3億2000万円だった。

ウィングのないマクラーレン・スピードテール。前オーナーがオーダーの時に特注したカラー。

日本車ではトヨタ2000GTが登場。2013年にトヨタでレストアされ、フランスに到着してからはトヨタのディーラーの各所を廻って展示されていたという。この2000GTは億には届かず、8300万円止まり。レクサスLFAも出品されていた。LFAはフランスに3台しか入ってきておらず、そのうちの1台となる。走行距離は9000km、落札価格は1億円になった。もう1台のトヨタはランドクルーザーだ。今回のレトロモービルでは決して目立つ存在ではなかったが、あちこちでも見かけるようになっていた。落札価格は500万円。

フランスに入ってきた3台のLFAのうちの一台。

今じわじわきているFJ40ランクル。

こちらのオークションも億単位で数々の車両が落札され、総額は67億円にのぼった。レトロモービル同様に、このパリでのオークションが2023年のオートモービルオークションの始まりを告げる。まだまだ朝方は0℃前後の寒さだけど、昼間になると10℃を超える。春の足音が聞こえてきたようだ。車のイベントが本格化していく季節はもうすぐだ。

ミウラをイオタ流に改造したモデル。1億3000万円で落札。


写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

Tomonari SAKURAI

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