DSをキャンバスに!? 子どもも喜ぶ「ヴァンセンヌ旧車会2024年3月定期ミーティング」

パリの東の要、ヴァンセンヌ城。その前の広場で毎月開かれるヴァンセンヌ旧車会定例ミーティング。今月3月は第二週日曜日に集まった。本来は第一日曜日だが、先週はパリ セミ マラソンが開催されそのコースの一部になっていたため、1週間ずらしての開催となった。

イベントにより実施タイミングがずれるといえば、毎年夏に開催されているパリ横断もそうだ。これも通常7月末~8月初旬に予定されているが、今年はパリ オリンピックがあるので6月に変更される。パリ オリンピックといえば、通常この期間はバカンス シーズンなので、オリンピックといえどもメトロや鉄道、そして何より公務員は通常通りバカンスを取ると言い張っている。オリンピックに合わせた特別なスケジュールは認めないということで、オリンピックの最中は各地でストライキを予定している。オリンピック開催中はパリ市が発表した2倍の乗車券ながらもストライキによって電車はまったく動かなくなることも予想される。とにかく今パリではオリンピックはかなり評判が悪い。ルーブル美術館の地下ショッピングセンター、カルーセルにオープンしたオリンピックグッズのオフィシャルショップは早くも50%Offをはじめていた。

さてさて、ミーティングに話しを戻そう。この日は朝から、しとしと雨が降っていた。そのため出足は遅く、何とか雨が上がりかけた10時頃になってようやくポツポツと参加車が集まりはじめた。まだまだ寒い3月の朝。さすがにバイク達はおとなしい様子だ。

バイクは常連さんのBSA M20。1940年のモデルだ。

会場を歩いて顔見知りと挨拶を交わしていると子どもがチョークを持ってDSにいたずら書きをはじめた!?何事かと思うと、レストア前の塗装面がざらざらになったDSをキャンバスとして開放。通りがかる人たちにチョークを渡して「いたずら書きしてみない?」と声をかけている。なんとなく罰当たりなきもする。子ども達も書き始めは戸惑いながら「パパほんとに描いてもいいの?」って確認しながら。質問されたパパもやや戸惑いながら返事を返す。

確かに黒板のような肌。子どもも戸惑いながらいたずら書き。

世界に一台のDS21パラス。

今日はまつげのある2CVやディアナがいて子ども受けが良い。その一台はボディにイラストが描かれていて2CV自体を自らキャンバスとしている。

今回はまつげ付きをよく見かける。

こちらもまつげ付きの2CV。ライトはLED。

トランクがキャンバスに。

参加台数が少ない分、見ている人たちも一台一台じっくり眺めているようだ。車のオーナーもじっくりと愛車談義をはじめる。今回1番人が集まっていたのはシムカ・アロンド P60。フルレストアされたこの車に群がる人が絶えない。そのたびドアを開けたり、フードを開けたりとオーナーも忙しそうだ。そこに集まる年齢層から、この車自体に幼少の頃の思い出があるようだ。天気が悪かろうと車好きの気持ちを止めることはできないのだ。

今回1番人気のシムカ アロンドP60。常に人が集まっている。

新車同様のコンディションだ。

フィアットのライセンス生産から独自の車両第一号のアロンド。エンジンはフィアットのものをベースとしている。

この敷地内に入るにはヴァンセンヌ旧車会のメンバーであことが必要だ。そうでないとこの会場に入れない。なのでこれを見に来たり、メンバーではない友人などは指定敷地外に駐車する。そんなところに容赦なく駐車違反切符を切る警察官が登場だ。こちらの駐車違反は減点はなく罰金だけ。最近はデジタル化されて駐車違反を切られた用紙がワイパーなどに挟まれていることはなく、数日後に駐車違反の切符が郵送されてくる。罰金をネットや小切手で支払えという通知なのだ。1週間以内に支払うと半額でOK!というおまけ付き。罰金専用サイトで支払いを済ませればいいのだ。できれば違反切符が無いに越したことはない。

ちょっと敷地の外に停めたら無情にも駐車違反切符が...

お昼に合わせてポツポツ帰りはじめる車もでてきたことだし、また雨が降り出す前に僕も引き上げることにしよう。


写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

櫻井朋成

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事