BMW Z4のベンチレーション・システムに悩む|『Octane』UKスタッフの愛車日記

Octane UK

『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回は2004年BMW Z4 3.0iに乗るロバートが、「やることリスト」に途方に暮れる様子をお届けする。



熱、経年劣化、プラスチック… 私のBMW Z4のボンネット内には、もろくて壊れかけの部品が寄せ集められている(作業が終わらないよ、まったく!)

前オーナーの何名かと連絡が取れたことで、古いパイプの一部が交換されていることは分かっていた。それは、アクセスしやすい部分にある日付のスタンプで確認できる。何本かのホースとオイルセパレーターからなるクランクケースのベンチレーション・システム(略称はCCVで、「クランクケース・ヴェント・バルブ」の意)が、「やることリスト」にまだ残っていることも知っていた。

以前に、排ガスから白い煙が1、2本出ていることには気づいていたが、私が行った整備でそんなことはすべて直ったと思っていた。実はそうではなかった。少し検索してみたところ、煙はCCVシステムの故障による症状である可能性があり、小さなうなるような音(以前から聞こえていた)やオイルキャップの下の白い付着物も、同様であることが分かった。CCVシステムは、エンジン内の空気をオイルセパレーターに送り込み、オイルセパレーターがディップスティックチューブを経由してオイルをオイルパンに戻し、オイルの蒸気をインテークマニホールドに送って燃焼させる。賢そうな感じに聞こえるが、実際には信じられないほどアクセスしにくい場所にあり、複雑過ぎてお粗末な設計上の弱点だといえる。

インテークマニホールドの下に埋められたオイルセパレーター。

寒冷地や短時間の走行ではユニット内に結露を生じさせ、燃焼する機会が得られず、濃厚なクリーム状の汚れが発生する。最悪の場合には、パイプをふさいでオイルパンからオイルを吸い上げ、それをエアインテークに入り込んでハイドロロックを引き起こすことがある。どうやら非常にまずいらしい。解決策はあるのだろうか?それは、オイルを早く温めるために、すべての部品を分厚い断熱材で包むことだ。

インテークマニホールド全体を外さずに古いホースを外すのは面倒だが、可能ではある。エアフィルター、DISA(Differenzierte Sauganlage、インテークマニホールドアジャスター)、バルブ、スロットルボディ、アイドルコントロールバルブ、ワイヤーハーネスを外し、約20本のケーブルを抜くと、やっとアクセスができるようになる。YouTubeでは、作業を単純にするため、ホースクリップを壊してパイプを切断することを勧めていた。私はできるだけ壊さないようにしてみたが、どうしてももろくて折れてしまうものがある。何本もの指に傷ができ、何度も手が痙攣した。それでも、どうにか新たに厳重に絶縁した部品を、正しい位置にねじ込むことができた。

新たに断熱された「寒冷地」パーツの取り付けに励むロバート。

新旧比較。

部品に添付された説明書には、「定期的な強めの加速とレッドゾーンまで回しての走行が、システムの正常な作動の継続に役立つ」と書かれている。しかし残念ながら、それはまだ今はできない。なぜなら、すべて元通りに組み上げた後で、別のことに気づいたからだ。トップマウントに大きな裂け目ができていて、運転すること自体が危険なのだ。まさに、泣きっ面に蜂だ…



文:Robert Hefferon

Robert Hefferon

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