前人未到の記録をもつポルシェがル・マンの地へ戻る

Photo:PORSCHE AG



そして6月、WEC第3戦、ル・マンの地にポルシェが戻ってきた。1周13.629 kmのサルトサーキットには20万人以上の観衆が集結。ポルシェ919ハイブリッドは予選でポールポジションをかけた熾烈な争いを繰り広げ、見事にカーナンバー14のロマン・デュマが予選最終日に3分22秒146の最速ラップタイムを叩き出し2番手を獲得。カーナンバー20も4番手とセカンドローにつけている。

予選トップはトヨタTS040ハイブリッドを駆る中嶋一貴。これはすべてのFIA選手権において日本人初のポールシッターとなる大偉業だった。決勝でもスタートから圧倒的な速さでレースをリードするも、14時間を経過したところで電気系のトラブルにより無念のリタイヤとなる。

ポルシェ919ハイブリッドはカーナンバー20がレース中盤から後半にかけて、追い上げをみせ、トップに踊り出る。そしてドライバーはティモ・ベルンハルトからトップのままマーク・ウェバーへと交代。ところがスタートから22時間以上が過ぎた頃、パワートレインの問題が発生。リタイヤを余儀なくされてしまう。もう1台のカーナンバー14もドライブトレインに問題を抱え、なんとかフィニッシュラインを超えるも総合11位となっている。

ル・マンへの再挑戦、1年目の目標はまず完走することだと公言していたポルシェ919ハイブリッドだが、結果は厳しいものだった。

LMP1担当のトップ、フリッツ・エンツィン
ガーは「この結果は、準備作業に奮闘してきた私たちのチームにふさわしいものとは言えません。この波乱に満ちたレースは、信じがたく忘れられないものとなりました。チームの全員が限界まで働き、決して諦めませんでした。私はチームをとても誇りに思います」と悔しさをにじませる。

夏休みを終えて、9月にアメリカオースティンで開催されたWEC第4戦では、カーナンバー14が4位に入った。



そして第5戦は日本開催、富士スピードウェイで6時間耐久レースが行われた。ポルシェ919ハイブリッドの日本初上陸である。予選ではカーナンバー20が2位、カーナンバー14が3位の好位置を獲得。決勝レース中にはマーク・ウェバーが1:27.759 のファステストラップを記録するなど日本の観客の前で速さの片鱗を見せはじめた。そしてついに、カーナンバー20が3位表彰台を獲得。カーナンバー14も4位となっている。

また11月に上海で行われた第6戦でもカーナンバー14が3位表彰台を獲得。今シーズンはバーレーン、ブラジルの2戦を残すのみだが、マシンは確実に進化を遂げている。

チーム監督のアンドレア・ザイドルはルマンのあとこのようにコメントしていた。「今はもちろん残念な気持ちで一杯です。しかし、私たちは、来年のために多くのことを学び、明日からは2015年に向けて準備を始めます」。

すでに次のル・マンに向けての戦いははじ
まっている。来年は日産もLMP1にワークス体制を敷いてのり込んでくる。トヨタ、日産、アウディ、そしてポルシェ。この4強の本気の戦いに今から胸が踊る思いだ。

文:藤野太一 Words:Taichi FUJINO

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