ランボルギーニ・エスパーダを購入するまでの経緯│交渉の末いくらに?

Mark Dixon

昔、Octane表紙のため1987年 ポルシェ 911ターボを撮影した。その車はポルシェGBクラブのコンクールで優勝を獲得したもので、綺麗なミントカラーをしていた。2万ポンドもしない価格で販売されていて、かなり安いと感じたものだ。今となっては同じ車を買おうと思えば、4万ポンド以上するのだ。

かつては手の届く存在であったのに、今は高騰しすぎて所有すること自体が夢のような車ばかりだ。例えば、フェラーリ ディーノ、初期型アストンマーティン DBS、3.8リッター E Type フィックスドヘッドなど。これらは少なくとも2倍以上の価格が付いている。下手すれば、3倍、4倍にもなっているほどだ。そんな状況に、私は完全に希望を失っている。

撮影のために持ってきていたランボルギーニ・エスパーダをイタリアまで運転しイギリスまで帰ってきたことがあった。どうしてもエスパーダが欲しくなってしまい、全面的に頑張って買うためのお金をかき集めようと決心した。今、5万ポンドほどで手に入るものも、数年後には平気で8万ポンドになっていたりするのだ。

エスパーダを購入するためお金を貯めていることを友人のリチャードに話した。そこで、彼の口から発せられたのは"僕も一緒に頑張るよ"という内容だった。その時は全く真剣に捉えていなかったのだが、2,3日後に来たメールに"冗談で言ったんじゃないよ。分かってるだろう"とあった。突然、夢が現実味を帯びたのだ。

その時、状態の良さそうなエスパーダはだいたいが3万ポンド~5万ポンドだった。フェラーリやアストンマーティンも買える値段だったが、リチャードも私もそのような車は欲しくなかったのだ。エスパーダは他のスーパーカーとは格が違っていたし、他の仕事仲間も同じことを感じていた。

ミウラと同タイプのアロイボディを持つシリーズ1かシリーズ2が欲しかったのだが、どちらか選ぶとするとシリーズ1が良かった。ダッシュボードなども含め、シリーズ1の美しさは完璧だと思ったのだ。しかし、シリーズ1は1年間しか生産されなかったため、見つけること自体が難しい。

シリーズ2もレアだが、1よりはマシだ。そんなところに、家の近くで販売されているシリーズ2があった。シルバーのボディにブラックのレザーインテリアを持つ1台だ。新車でスイスに販売されてからオランダに渡り、その後はイギリス人オーナーが購入しイギリス国内にあった。

リチャードと私はある夏の日、共に販売店へ行くとショップオーナーのイアンが紅茶を入れてくれて、このエスパーダにある問題点を説明してくれた。そして、鍵を私達に渡し、近くのモーターウェイまでの道を教えてくれたのだった。

エスパーダは綺麗なエンジン音と共に、良い走りを見せてくれ、塗装も十分に綺麗でとても気に入った。しかし、私を最も惹きつけた要素はインテリアだった。ランボルギーニは薄いレザーを使っていてすぐに廃れてしまうことで知られていたのだが、このエスパーダは6万4000kmの走行距離でインテリアは綺麗なオリジナルを保っていたのだ。履いていたタイヤはちょっと不思議なことに、リアのほうが少々幅が広い。パワーウィンドウのスイッチは片方壊れていた。

イアンとの交渉の末に、4万9500ポンドで購入できることになった。2週間後に車を引き取り、メカニックを担当してもらうデレックのもとへ待ち望んでいた1台と共に旅をした。

Words: Mark Dixon 抄訳:オクタン日本版編集部

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