ランボルギーニ・エスパーダ維持費との闘い│今すぐ手放すべきか?

Photography: Mark Dixon

イギリスで、1台でもなく2台でもなく3台でもなく、4台ものランボルギーニ・エスパーダの作業ができるレストアショップはほとんどないだろう。4台というのは、私が友人兼同僚のリチャード・へゼルティーンと共同所有するエスパーダの修理状況をチェックしに、チェシャー・クラシック・カーズに最近訪れた際に数えたのだ。

しかも、そこには同じ台数のミウラもあった。オーナーのイアン・ティレルは、こういったV12のランボルギーニに精通しており、『Octane』イギリス版143号で表紙を飾った、有名な映画『ミニミニ大作戦』に登場したミウラのレストアを行ったのも彼の会社だった。

イアンはランボルギーニのエキスパートであるだけでなく、とても親しみやすいナイスガイなので、彼の会社に私たちのエスパーダの整備を任せるのは当然のことだった。台に載せられている銀色の車が私たちのエスパーダだ。その手前に写っている金色の右ハンドルのものは、以前はオーストラリア人が所有していて、つい最近新しいオーナーに売却されたところだ。

私たちの車に致命的な故障はない(と願いたい)。しかし、2014年の「ル・マン・クラシック」に向かうトリップ中に分かったことなども含め、ささいな不備が何箇所かあった。

その中でも一番重大な不具合は、ろくでもないフロントダンパーだ。この車は、高速道路での上下動が少々目に余る。路面の窪みにでもヒットすれば、このダンパーがその衝撃をそのまま捉え、車体の構造自体に最悪の損傷を及ぼすかもしれない。あまりにもひどい上下動のために、私たちはフロントガラスが割れるのではないかと心配していた。

更に、エクゾーストシステムにも不具合がある。センターマフラーはランボルギーニ純正品で、新車のときから付いていたようだが、不器用なジャッキアップのせいで穴が開き始めている。ちなみに、1970年式のこの車の走行距離は7万キロを下回っている。ガスフローに制限がある中で、昔と同様のパフォーマンスを見せるのには驚いた。



イアンには、センターマフラーをストレートパイプに交換する様に依頼した。それは、経済的な意味も少しあるが、主にはV12 のうなり声をもう少し解放してやりたいからだ。このエスパーダのサウンドは、少々上品過ぎるのだ。

構造的には、この車は驚くほど良いコンディションだ。恐らく90年代初期に一度、非常に高品質のリペイントが施されている。しかし、ホイールアーチの端の数カ所にサビが浮いてきているので、これ以上悪化しないうちに対処すべきだ。写真で分かる通り、底面の状態もパーフェクトだ。下の写真のフロントのインナーアーチ部分を見ても、すこぶる良好な個体であると、イアンが保証してくれた。

ただし、それこそが私たちの悩みのタネだった。この車をもうしばらく所有すべきか、それとも今すぐ売るべきか。2年前に支払ったこの車代より高く売れるかどうか? リチャードも私も共に、今年中に転居を考えている。もちろん、別々の家にだが(私達はそこまで親密ではない!)。ただ、二人とも財布が厳しいのは同じだ。その一方で、ヨーロッパ中を巡るロードトリップを実現して、素晴らしい人生を歩みたいというのも事実だ。

結果がどうあれ、苦渋の決断になるのは間違いない。なぜなら、セクシーで魅力的なのに過小評価されているこのマシンに、今でも私たちはすっかり夢中だからだ。

Words: Mark Dixon 訳:オクタン日本版編集部

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