逸話を持つデ・トマゾ・パンテーラ│落札価格は?

rm sotheby's

このデ・トマゾ・パンテーラは、RM サザビーズのオークションに出品された2 台のうち1 台で、最初期に製造されたもの。初期モデルの特徴である押しボタン式ドアハンドルを持ち、カロッツェリア・ヴィニャーレで造られた。オリジナルのグラバーブルーで、非常に質の高いレストアを施されている。エンジンは大きくアップグレードされ、ホイールも標準仕様とはまったく異なる。
 
パンテーラはマングスタの後継として誕生した。ディアボーン生まれのV8エンジンを搭載し、アメリカではフォードのリンカーン・マーキュリー系列のディーラーが輸入代理店を務めた。しかし、スピードが売りのセクシーなイタリアのスーパーカーを持て余すディーラーも多かったようだ。
 
金曜日に売れたパンテーラが土曜の午後にはディーラーへ帰ってきたという逸話も多い。例えば、医者が購入して家に持ち帰ってみたらゴルフクラブが2セット収まらなかったとか、スピードバンプでチンスポイラーが外れたとか、単に故障したとかいった理由だ。
 
それでもアメリカはパンテーラにとって群を抜いて最大の市場だった。1980年代までにほとんどがモディファイされ、一部は錆び付いてしまい(防錆処理と製造品質が悩みの種だった)、忠実なオーナーの元に残った車は少ない。そこそこ高価ではあったものの、性能は非常に高く、フォードが関心を失ったあとも何年も生産が続いた。
 
この車はモディファイを受けたパンテーラの中でも味わい深い1 台で、新しいオーナーが望めばオリジナル仕様に戻すことも可能だ。8万4000ドルという落札額は非常によい買い物といえる。パンテーラの値が最も上がった約1年前より10~15%低い金額で、1970年代を代表するスーパーカーを楽しめるのだから。

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo. ) Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Translation:Megumi KINOSHITA

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