ヨーロッパの5月は、カーエンスージアストにとっては格別に忙しい、悩み多き季節だ。
まずは、公道ラリーの王様であるミッレミリアから。5月15日から18日の4日間に渡り、ブレシアからローマを往復する珠玉のクラシックカーを堪能することができる。街道をフルスロットルで駆け抜けていく希少な車の姿を見るために、地元の人々が待ち構えているのだ。5月13日には参加車両の車検がスタート地点であるブレシアにて行われ、スタート前日の14日はヴィットリア広場にて423台ものクラシックカーの洪水に見舞われる。そんなこともあり、13、14日にブレシア周辺をフラフラと探索するのは勧める。
しかし、今年のシリアスな問題は雨だった。イタリア北部は例年になく寒く、毎週末、狙ったかのように天気が崩れた。残念ながら、ミッレミリアはスタートもゴールも雨…。
そして、その翌週末はコモ湖へ移動。世界最古のコンクール・デレガンスであるコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ2019(以下ヴィラデステ)が、コモ湖畔にて今年も開催された。開催90周年の節目を祝う重要な年でもあったのだが、そのテーマは“The Symphony of Engines”。クラシックカーマニアには何とも刺さるキーワードではないだろうか。
土曜日のイベントは、16世紀にその源を持つヴィラ・デステを全面的にブロックして行われる。美しい庭園に並ぶクルマは50台あまり。ここがもう一つの雄であるペブルビーチとの大きな違いだ。ヴィラデステではごく限られたクルマを北イタリアの風景に溶け込ませることを大きな目的としている。もちろん人間も、だ。
この土曜日は参加車両のオーナーを含む関係者や、ごく限られたメディアのみが入場することが出来、ゆったりとコンコースを楽しむことができる。ごく限られた枚数で、一般のギャラリーも参加することができる。金額もそこそこするのだが、入場券をオンラインで購入できる仕組みとなっている。その発売タイミングは毎年異なるため、ヴィラデステのニュースレター会員(https://www.concorsodeleganzavilladeste.com/)に登録し、情報を待って頂きたい。
日曜日は隣接するヴィラエルバにて、参加車両が一般公開される。こちらは人数制限がなく自由に参加できるのだが、日本のクラシックカーイベントと比較にならないほど多数の入場者が押し寄せる。エクスクルーシブな雰囲気が漂う土曜日とは、全く空気が異なる点は要注意だ。さらに入場券を購入するために一時間くらいは並ぶことになるので、オンラインで購入しておくが吉であろう。
裏技ではあるが、金曜日に各地からやって来る参加車両を眺めるのも実に良いものだ。その前日には参加車両の一部がツーリングへ行ったりするし、コモ湖畔にてその“The Symphony of engines”を楽しむこともできる。
Words: Shinichi Ekko 文:越湖信一
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