驚異的なスペック!世界77台限定 美しきスポーツカーのパワー源は?

Photography:Matthew Howell



潤滑系はもちろんドライサンプで、圧縮比は10.9:1に高められた。最高出力の公称値は750bhpだが、ひとたびランニングインを終えるとその多くが770bhpを生み出した。自然吸気エンジンとしては驚異的なスペックといえるだろう(事実、デビュー当時はNAエンジンとして史上最強を誇った)。これは取るに足らないことかもしれないが、このエンジンは恐るべきパフォーマンスを発揮するいっぽうで、アストンの量産モデルと何ら変わらない耐久性とエミッション性能を実現していたのである。



もしもOne-77の諸元表を見て物足りなく感じるものがあるとすれば、それはトランスミッションだろう。いまやデュアル・クラッチ式ギアボックスが当たり前だが、One-77に備えられているのはシングル・クラッチ式の6速セミATなのだ。セミレーシングタイプのツインプレート・クラッチは往々にして非難の対象とされ、低速域でギクシャクするマナーは多くのドライバーを困らせてきた。

もっとも、ひとたびペースを上げれば、そんなことはまったく気にならなくなる。なにしろ0-100mph加速はテスト中に6.9秒をマークし、アストンが長年かけて積み上げてきた記録を軽々と打ち破ってみせたのである。ちなみに最高速度は220mph(352km/h)以上と記されている。

サスペンションはレーシングカーに準じる構成とされた。スプリング/ダンパー・ユニットはインボード式で様々な調整が能。

しかもアストンのエンジニアたちがオーナーの好みやドライビングスタイルにあわせてサスペンションをセッティングしてくれたのである。また、勇気あるドライバーはDSCをトラックモードにしたり、完全にオフにすることもできる。


・・・・次回へ続く

編集翻訳:大谷 達也 Transcreation:Tatsuya OTANI Words:Peter Tomalin Photography:Matthew Howell

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事