大きな目標をクリアした後は・・│最も傑出したラリードライバーのキャリアを後押しした人々

モータースポーツ史の中で最も傑出したラリードライバーだといわれるヴァルター・ロールは、プロとして活躍した1973年から 87年までに2度(1980/1984 年)FIA 世界ラリー選手権王者に輝いている。さらに、世界選手権では通算14度の優勝を記録し、モンテカルロ・ラリーは4度も制覇しているそんな彼の回顧録をご紹介。

「世界王者になるという夢を抱いたことは一度もなかったですが、伝説のラリーと謳われていたモンテカルロ・ラリーは人生の大きな目標で、 “いつか勝ちたい” と常に思っていました。なので、当時はよく『モンテカルロに勝ったらラリーから身を引くよ』と大口を叩いていましたね。私はお金のために走っているのではありません。ただ自分が夢想家なのか、本当に最高峰のドライバーなのかを確かめたい、というのが一番の動機でした。優勝の写真を見て単に喜ぶのではなく、それをじっくり真剣に厳しく見つめるというのが私の性格なのです」

「いつもはゴールした後にマシンからおりると、自分の任務をやり遂げたと満足してあっさりしていたのですが、1980年にモンテカルロを制した時は何かが違いました。優勝の達成感が3日間も続いて、“人生でやり残したことは何もない” と初めて思ったのです。これで一線から退こうとも考えたのですが、コ・パイロットのクリスティアン・ガイストデルファーが、『まだやれることはいくらだってある。1度勝っただけで辞めるのはおかしい』と言ってきたのです。妻にも『あなたは馬鹿ね。運転が好きじゃなかったの?それを辞めたらあなたの頭がおかしくなっちゃうわよ』と怒られました。私は自分のことで周囲から騒がれるのは好きではないですが、ラリーを愛しているのは確かでした。みんなからの後押しで幸い、キャリアを継続し闘い続けることができたのです」

オクタン日本版編集部

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