ド派手!ピンクだらけの世界一有名なカスタムカー│作られた目的とは?

casey maxon



そして、ローライダーの中で有名な一台がある。ジェス・ヴァラデスという人物(1946~2011)が手がけた“ジプシー・ローズ”だ。当時、アメリカでスター的存在であったジプシー・ローズ・リーに因んでネーミングされている。派手なペイントを身にまとったジプシー・ローズは計3台が製作されている。2台は1963年モデルのシボレーをベースにしており、もう一台は1964年のシボレー・インパラをベースにつくられた、これだ。彼がジプシー・ローズをつくった理由は単純なものだった。「車を楽しむこと」。それだけが目的で、ジプシー・ローズを完成させると家族と出かけたり、友人を迎えにいったり、という用途に走らせていたという。ヴァラデスがこの時に作った“インペリアルズ”というクラブは現在でも残っている。



ジプシー・ローズのボディワーク自体は奇抜ではない。ルーフを切り取ることもされていなければ、ボディパネルもシボレーのものがそのまま使用されている。ハードトップのスタイルはローライディングの中で最も一般的なもの。しかし、写真で見れば分かるようにジプシー・ローズのペイントワークは卓越している。カラフルな薔薇がひとつずつ手で描かれている。ルーフ全体やサイド、リア、至るところに見られる。ホイールはクロム加工でピカピカに輝く、5本スポークのクレーガー製 SSである。

インテリアはといえば、こちらもすべてがピンク。シートはベロアで、中には小さなシャンデリア風ライトも付けられている。派手なカラーであるが、実際にダッシュボードなどは至ってシンプル。車内は装飾に凝っているのではなく、あくまでも人を乗せるための車であったことを示す要素でもあるだろう。



2011年にヴァラデスは亡くなったが、それまでずっとジプシー・ローズはカリフォルニアの太陽を浴び、たくさんの愛情を受けてきた。「世界で最も有名なカスタムカー」にも選ばれ、TVショーなどでも活躍。2017年にはナショナル・モールに展示され、何千もの人々がジプシー・ローズを一目見ようと集まった。また、ヴァラデス一家はまだジプシー・ローズを所有しており、大事な家族の思い出としてこれからも手放す予定はないそうだ。

オクタン日本版編集部

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