こんなアストンマーティン、見たことある!?|世界に1台の「ブルドッグ」、ついにレストアが完了

Concours of Elegance

2021年9月3日~5日にA.ランゲ&ゾーネ主催の第10回コンクール・オブ・エレガンスが、西ロンドンのハンプトン・コート・パレスで開催された。1915年以前のクラスから1980年代以降のクラス、モダンクラシックのクラスまで、約1,000台の世界最高級のコレクター・カーが展示され、これまでで最も素晴らしいイベントとなった。このイベントは、英国のコンクール・デレガンス・カレンダーの頂点に位置するものとして広く知られており、今回は先駆者から現代に至るまでの自動車の贅沢と革新の全進化を描き出すようなイベントとなった。

出品された車の質の高さを物語っているのが、ベスト・イン・ショーに選ばれた1934年のアヴィオン・ヴォワザン C27エアロスポーツだ。



20世紀最大の天才の一人であるガブリエル・ヴォワザンが1934年に設計・製造したC-27 エアロスポーツは、ヴォワザンの航空業界での経歴を示す特徴を数多く備えている。1934年のパリモーターショーのために製作されたこの挑発的な車は、実は販売面ではなかなかヒットしなかった。しかしその後、エアロダインのシャシーを短縮して2台のロードスターが製作され、それがC27として知られるようになったのである。ヴォワザンと、ヴォワザンが教育を受けていた頃に出会った建築家のアンドレ・ノエル・テルモンとのコラボレーションによって作り上げられたその輝かしいアールデコ調のスタイリングは、人々の心を魅了した。



アヴィオン・ヴォワザンのC27エアロスポーツのオーナーには、著名な野生動物の彫刻家でありアーティストであるロバート・ラトレイ氏が6ヶ月間かけて細部まで丁寧に制作した、ペガサスの彫刻トロフィーが贈られた。

また、中でも注目すべきは、ガルフvsマルティーニの展示の反対側に置かれ人だかりができていた、とある1台の車だ。世界に1台しかないアストンマーティンブルドッグである。



以前octane.jpでも紹介したことのあるモデルだが、今回約1年半に及ぶレストアを経てお披露目となった。

もともとブルドッグは1979年にアストンマーティンが最高時速320kmを目指して開発したスーパーカーなのだが、コストの問題から1981年にプロジェクトは中止になり、その後中東やアメリカ、日本などのコレクターのもとを渡り歩き、最終的には2020年に今のオーナーのもとへと行き着いた。

そしてブルドッグを手に入れたこの新しいオーナーは、再び時速320kmを目指すべく、シュロップシャー州ブリッジノースにあるクラシックモーターカーズ社(CMC)に、完全なレストアを依頼したのだ。

CMCのチームは、キース・マーティンをはじめとするこの車のオリジナル・エンジニアたちや、デザイナーのタウンズの未亡人と協力して、安全性の向上を主目的としたいくつかのマイナーチェンジを除いて、ブルドッグをオリジナルの仕様に戻すことに成功した。



エンジンとトランスミッションは完全にリビルドされ、ターボチャージャーはV8のシリンダーブロックのヘッドの下にある元の位置に戻された。またボディパネルは元来の色に塗装され、インテリアもオリジナルの仕様に変更されている。



コンクールでは、英国海軍によるユニークな軍事式典でブルドッグが披露され、来場者の目を楽しませた。



このブルドッグは、英国サマセット州ヨーヴィルトンの王立海軍航空基地で、今後近いうちに最高速テストに挑戦する予定だそうだ。

オクタン日本版編集部

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