紛うことなき天才、エットーレ・ブガッティの偉業

BUGATTI



完成度の高さ


エットーレは、自分自身の作品に魅了され、タイプ35と名付けられた新しいレーシングカーのために多くの特許を取得した。初めてダブルローラーベアリングとトリプルボールベアリングのクランク機構を採用し、8つのピストンを持つエンジンを6000rpmまで回転させることに成功した。合金ホイールは、エットーレ・ブガッティが特許を取得した革新的なもので、後により軽量で俊敏な車を生み出すのに貢献した。

より速く、よりパワフルなマシンを作りたいというエットーレの思いから生まれた初代タイプ35は190km/hを超え、競合他社を圧倒した。後期型のタイプ35Bでは、2.3リッター8気筒エンジンとスーパーチャージャーを搭載し、出力は140ps、最高速度は215km/h以上にまで向上した。

タイプ35は、1925年にイタリアのシチリア島で開催された世界で最も過酷とされるタルガ・フローリオに初参戦し、優勝を果たしている。タイプ35は、1930年代初頭までに約2000のレースで優勝し、史上最も成功したレーシングカーとなった。

あらゆる分野での活躍


エットーレ・ブガッティの素晴らしさのひとつは、彼の技術的な熟練度が自動車開発のあらゆる分野に及んでいたことである。軽快なタイプ35を製作した後、ブガッティは当時としては最も豪華な車であるタイプ41を製作した。タイプ41を購入できるのは、エットーレが許可した当時の選ばれた顧客に限られ、その多くは王侯貴族であった。したがって、タイプ41は「ロワイヤル」と呼ばれるようになったのである。

エットーレ・ブガッティの並外れた発明は、彼の絶え間ない向上心の賜物である。彼は、購入した酒に不満があったため、自分で蒸留所を作り、市場に出回っている最高とされるものが完璧ではないと考え、自ら自転車を設計した。また、息子のローランドにおもちゃの車を買ってあげようとしたとき、適当なものがなかったので自分で作ったのが、今では有名なブガッティ・タイプ52だった。



エットーレの特許には、円筒形のカミソリ、自転車やオートバイの超軽量フレーム、セキュリティロックなども含まれていた。また、釣り人のためにキャスティングロッドを開発したこともあった。また、ゲート、ドア、照明器具、肘掛け椅子、万力、手術器具、馬具、窓用ブラインドなど、特許を取得していない実用的な日常生活用品も数多くデザインしている。

モールスハイムの自宅でくつろぐエットーレ

オクタン日本版編集部

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