<日本ブランドのユニークピースも>変化を遂げていく時計オークションの世界

@PHILLIPS


Patek Philippe 「Ref. 5070J-010」

*NY Lot.56(12月10、11日NY) 

落札予想額:USD 80,000-200,000
落札価格:USD 441,000(約60,293,520円)

Patek Philippe 「Ref. 5059R-018」

*NY Lot.124(12月1011日NY)

落札予想額:USD 50,000-100,000
落札価格: USD 264,600(約36,176,112円)

ふたつのロットをまとめて紹介する。「5070」は1998年~2009年まで、「5059」は1998年〜2007年まで、この2モデルは、ほぼ同期間にパテック フィリップのクロノグラフと永久カレンダーの主力を担ったモデルで、通常はそれほど注目を集めるものではないのだが、この2本に関しては、それぞれが非常にユニークなブラウンダイヤルと特別なインデックスの仕様であり、しかもパテック フィリップのコレクターとして著名な同じオーナーの元から出たという点が特筆される。ただ、カタログ上では名前を伏せる意向のようで、ヒント的に6時位置にある「MSO」という印字に触れるのみなので、ここでもそれに倣う。この「MSO」マークに価値を見出す方に向けての要素もあるため、エスティメートの幅が非常に広くなっている点が興味深い。


Omega 「Ref. 145.012-68SP」

NY Lot.169(12月10~11日、NY)
落札予想額:USD 75,000-150,000
落札価格:USD 327,600(約44,789,472円)

オメガ「スピードマスター」の人気の裏付けには、1969年のアポロ11号の乗組員 バズ・オルドリンとともに月に降り立った歴史上初の腕時計という事実がある。「スピードマスター」がNASAの有人宇宙飛行の公式時計に合格したのは1965年のことだが、この出品作のアーカイヴには、そのテストを指揮した元NASAのプロジェクトエンジニア、ジェームズ・H・ラガンの署名があるうえに、1968年12月6日にジョンソン宇宙センターのNASAプログラムオフィスに送られた個体であることが証明されているため、まさにムーンウォッチの“同期生”としての歴史的・文化的意味合いから注目ロットとなっている。過去にもムーンウォッチ関連は高額で落札されるケースがほとんどなので、落札額は予想を超えたものになる可能性が高い。


Grand Seiko 「Ref. SLGT001 “KODO”」

NY Lot.100(12月10~11日、NY)

落札予想額:―
落札価格: USD 478,800(USD 65,461,536円)

最後は日本にとって非常に興味深いロットを紹介したい。本年度のジュネーヴウォッチ グランプリにおいて、卓越した精度を備えた時計に贈られる「クロノメトリー」賞を受賞した、グランド セイコーのコンスタントフォーストゥールビヨン、Ref. SLGT001、通称“KODO(鼓動)”のユニークピースだ。これは通常のオークションとは別の仕切りで、先天性心疾患の研究に資金を提供するチルドレンズハート財団への寄付のために出品され、ユニークピースを示す番号1/1が付けられている。落札者には、グランドセイコー技術チームに会うための岩手県の「グランド セイコー スタジオ雫石」訪問を含む日本への旅行が付属する。エスティメートは明示されていないが、参考として通常品のカタログ価格は4400万円となっている。



気になる時計をお持ちの方は、ぜひ一度、フィリップスの査定を受けてみてはいかがだろう。



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文:北村 泰(WATCH MEDIA ONLINE編集人)

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