ランボルギーニ・ディアブロを現代仕様にレストモッド|「ポップダウンライト」にも注目!

Eccentrica

レストモッドとは「レスレーション(レストア:復元)」と「モディフィケーション(モディファイ:改造)」を合わせた用語で、古い車を綺麗に仕上げ、現代の車と比べて遜色ない性能を与えるチューニング手法のひとつである。ポルシェ911や928、ランチア・デルタインテグラーレ、さらには旧車のEV化などレストモッドはその範囲が広く、車好きをときめかせてくれる。

7月6日、イタリア・ミラノにて披露されたのは、ランボルギーニ・ディアブロのレストモッドだ。新生レストモッドメーカー「エキセントリカ・カーズ」がランボルギーニ・ディアブロ(いわゆる前期モデル)をベースにしたレストモッドを19台限定で発売予定している。





1965年創業のイタリア最大の家具メーカーである「コロンビーニ・グループ」を率いる2代目社長、エマヌエル・コロンビーニ氏が立ち上げた新規プロジェクトである。コロンビーニ氏はランボルギーニ・コレクターであり、ランボルギーニのワンメイクレース、スーパートロフェオにも参戦している、ランボルギーニ・ファンだ。

どうやらランボルギーニ生誕60周年を記念した、ランボルギーニ・ファンによるオマージュが今回のレストモッドのように見受けられる。そして限定販売台数19台と“キレ”が悪いのは…、1台はコロンビーニ氏用のモノだからではないか、と推測している。

車両のデザインを手掛けたのは、イタリアのボッロメオ&デシルバデザイン事務所だ。彼らは昨年、フランスのナルドン・オートモーティブが発表したポルシェ928のレストモッドを手掛けたデザイン事務所でもある。

エキセントリカのディアブロは、サーキット走行に特化したディアブロGTからインスピレーションを得ている。ほぼすべてのボディパネルが、より滑らかに、より機能的に、より軽くなるように変更されている。例えば、オリジナルでは単なる装飾であったフロントグリルは、現在では車体上の空気の流れを改善するのに役立っている。



カーボンファイバーや3Dプリントされたチタンなどのエキゾチックな素材は、ディアブロのアップデートを手助けし、軽量化を図りながら剛性を向上させる。フロントとリアのライトもアップデートされ、ヘッドライトはONにするとヘッドライトカバーが下に開く「ポップダウン」ライトと呼ばれているそうだ。







気になるパワーユニットは、オリジナルの5.7lV12エンジンに新しいバルブとカムシャフトが組み込まれる。これにより最高出力542ps(404kW)、最大トルク600Nmを発生させ、カプリストのアルミ合金製テールパイプがエンジンサウンドを引き立てる。エキセントリカによればパワーウェイトレシオ2.9kg/psのおかげで、ディアブロはわずか3.5秒で時速62マイル(100km/h)を記録し、最高速度は時速208マイル(335km/h)に達するとか。



ブレンボ製6ピストンブレーキキャリパー、スリット入りローター、ピレリPゼロトロフェオRタイヤのおかげで、時速62マイル(100 km/h)からわずか112フィート(34メートル)で停止状態まで減速できる。これはオリジナルのディアブロよりも20%の制動力向上を意味し、横方向のグリップは1.2Gに達するという。

塗装、内装、生地、素材にバリエーションがあるため、同じディアブロはふたつとない。製作期間は16カ月から18カ月が見込まれており、気になる価格は120万ユーロとなっている。ちなみに、この120万ユーロにレストモッドのベース車両は含まれていないので、あしからず。





ミラノで発表された最初のエキセントリカ・ディアブロのテスト車両は、今月末にグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに、その後モントレー・カー・ウィークに向かう予定だ。その後、ニューヨーク、マイアミと凱旋ツアーにも出向く。

唯一気になったことは、プレスリリースにてサスペンションへの言及がなかったことだ。7月6日の発表時点では、まだ決まっていなかったのか、購入者との協議で色々選べるのか、続報を待ちたい。




文:古賀貴司(自動車王国) Words: Takashi KOGA (carkingdom)

古賀貴司(自動車王国)

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