ランチア、ジャガー、ランボルギーニ!3台の愛車をコンクールに出してみた|『Octane』UKスタッフの愛車日記

Octane UK

『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回はハリー・メトカーフが3台もの愛車をコンクールに出展した顛末を綴る。



ロンドン・コンクールの招待状が届いたとき、2つの審査クラスが私の目を引いた。ひとつは「Make Green Great Again(緑色を再び偉大なものに)」、もうひとつは「Wildcards(ワイルドカード)」で、基本的には主催者側が招待したくとも適当なクラスがない車を対象とした、より包括的なクラスだ。私のランチア・フルヴィア・ザガートのような車がうってつけだろう。そしてグリーンの方のクラスには、私のユニークな緑色のジャガーV12 XJCはどうだろうか?

ランチアとジャガーの車両の詳細情報を主催者へ送ったところ、数週間後に両方の車の参加について「イエス」の返事が届いた。そうなると次のタスクは、この3日間のイベントのために、会場であるロンドン市内の奥深くにある名誉砲兵中隊本部へ2台の車をどうやって往復させるか、ということだった。もちろん、1台はロンドンまで私が運転すればいい。しかし負担を軽減するために、もう1台はバーフォード近郊のコッツウォルズの自宅からビスポーク・ハンドリング社(同イベント専属の輸送会社)に運んでもらうことにした。費用は、片道80マイルで450ポンドだった。

数日前にはパーフェクション・ヴァレー社のリチャード・ティッパーに、2台の下準備をしてもらっていた。その時、コンクールの主催者から突然電話がかかってきた。予約枠が1台空いたので、私のランボルギーニ・カウンタックQVも出品してくれないか、と言うのだ。そんなわけで今年のロンドン・コンクールには、2台どころか3台も出展することになった。ちなみに、カウンタック分の往復輸送費は主催者側で負担してくれた。

この3台のうち、1台は自走でロンドンへ向かうことになる。どの車で行くのがいいだろうか。インスタグラムのたくさんのストーリーでずっと注目の的になりたいなら、カウンタックに乗ればいい。あるいは、重いクラッチで左足の筋肉を鍛えつつ、スーパー無鉛ガソリンを大量に使いたいなら、ジャガーV12 XJCが最適だ。しかし、一切のトラブルなしで往復するだけなら、レストアから戻って以来2000マイルほど走っても一度も不具合のない、ランチア・ザガートがいいだろう。結局、ランチア・ザガートで向かうことにした。

カウンタックとジャガーは積載車で会場入り。

審査日は少し曇りで夜明けを迎えたが、幸運にも審査員らが到着したときには、雨は降っていなかった。私は、エンスー過ぎる趣味に引かれないようにしつつ、審査員たちの注意を引こうと全力を尽くした。ザガートの審査が始まると、私はボロボロになったドアスキンを引っ張り出した。それは、何年も前に運転席のドアを修理した時に、ボディーワークの古い部分の一部が貼り付いたままになっていたオリジナルのドアスキンの残骸と、レストア中に取り外して溶接された、フロントウイングのひどい部分だった。

これが功を奏したようで、ザガートは強敵を退け、ワイルドカードクラスで優勝した。そして、9月にハンプトン・コートで開催される、名誉あるコンクール・エレガンスにもエントリーすることになった。

そのときまで、ザガートを大切にしまい込んでおくことはしないつもりだ。とてもいい車だし、ロードマナーも完璧で、大笑いしてしまうほどの陽気なサウンドを響かせてくれるからだ。9月にはハンプトン・コートまで自分で運転し、あらゆる瞬間を楽しむつもりなので、移動手段の手配を心配する必要もない。


文:Harry Metcalfe

Harry Metcalfe

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