基本を怠るべからず!プジョー306に起きた出来事から学ぶ

Octane UK

『Octane』UKスタッフによる愛車日記。今回は1997年プジョー306GTI-6に乗るマシューが、基本的なメンテナンスの大切さを痛感した出来事を綴る。



車と一体になってドライブしていると、その挙動のほんのわずかな変化に気付くことがよくある。ひどいにわか雨の中でプジョー306を運転していたとき、こんなことがあった。ラウンドアバウトから出た際、とてもかすかな抵抗のようなものを感じた。大したことはなさそうだった。雨のせいかもしれない。「また同じことが起こるかどうか、しばらく注意しておこう」と思った。

その後数週間は、特に不具合もなく過ぎていった。別の愛車アウディA2が不動の間、この306は私の日常的な足として、立派にその役目を果たし続けていた。そんなある日のこと、ランカシャーにいる父に会いに行くため、私は306を走らせた。M6沿いのドライブは大して面白いものではなかったが、その日は1年で最も昼が長い日だったので、現地を散策しようと考えた。

トラフ・オブ・ボウランドは、特別自然美観地域であり、ブラックプール育ちの私は子供のころに訪れたことがあったが、ドライブで来たことはなかった。道路は狭い上にでこぼこだったが、プジョーにとってはここは本当に素晴らしい場所だった。丘の頂上から見渡せる広々とした眺望から、美しい森と渓谷を流れる川まで、さまざまな景色が混在している。

ゴージャスな日の、ゴージャスなペナインの風景。ただし、この旅にトラブルがなかったわけではない。

他の多くの人々も同じように、季節の変わり目をこの素晴らしい場所で過ごそう、という考えのようだった。午後10時半になっても、最後の日差しを楽しめるのは最高だった。自然を満喫して市街地へ戻る途中、最後の坂を下るときにブレーキペダルが少し緩んでいることに気がついた。スピードは出していなかったから、点検して最低でもフルードは交換すべきかと思った。 ディスクとパッドはかなり新しいが、その性能に感心したことは、今のところない。

高速道路に戻ると、またあの同じ抵抗を感じた。今度はもっときつかった。時間も遅かったし、まともな工具も積んでいなかったので、仕方なくそのまま走り続けることにした。

「まただ!」と、私は自分に言い聞かせるように言った。 今度は一瞬だがパワーが無くなるのを感じた。そして、インジケーターをオンにしたと同時に、また同じことが起きたことに気づいた。ラジオも一瞬だけ電源が落ちた。

私は直感した。それは明らかに電気的なもので、再現性のあるものだった。私は車を停め、状態を確かめた。ボンネットを開け、工場出荷時から取付けられていたクイックリリース仕様のバッテリーターミナルのネジを外してみた。すると、これまでに見たこともないほど汚れて酸化した接続部を発見してしまった。ああ、なんてことだ!

私は家の鍵を使い、コネクタのきれいな面を擦って接続し直した。すると、幸いその不具合は解決した。しかも、 スターターモーターはだるそうなものの、エンジンはかなり元気になった(ように感じた)。解決したのは喜ばしいのだが、このような基本的なメンテナンスを怠っていた自分に心底がっかりした出来事だった。


文:Matthew Hayward

オクタン日本版編集部

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