五感で楽しむプロトタイプの自動車博物館

octane UK

ハンブルクの中でも再開発が進むハーフェンシティ地区にあるプロトティプ自動車博物館は、古い工場をスタイリッシュに改装して利用している。その名前から、めずらしいプロトタイプを集めた博物館を想像するかもしれないが、"プロトタイプ"は博物館自体も指している。一般的な自動車博物館より体験型の活気に満ちた施設を目指しているのだ。

自動車の歴史や過去のレースを映像で楽しめる小さなシアターに、想像を掻き立てる多彩なエンジンサウンドを聞くことのできるオーディオブース。ミニチュアの風洞では、ボディスタイルによる空力効率の違いを自分の手で試すことができる。子どもでもできる…というより、とりわけ子どもたちに挑戦するよう促しているポルシェ356のドライブシミュレーターもある。

工場だった建物の構造を最大限に活用して展示されているコレクションは、レースの香りが濃密に漂う内容だ。古くは1928年ベントレー4.5リッターから、最新の2017年ポルシェ919ハイブリッドLMP1までが網羅されている。ポルシェはレーシングカーとロードカーの両方が充実しており、他の展示車両もドイツ生まれのものが多いが、幅広い内容なので不満は感じないはずだ。



えば、ペーターマックス・ミュラーが1959年に30ものスピードと距離の世界記録を更新した車も展示されている。

優れたスポーツカーやレーシングカーに混じって、デリバリーバンやレーシングトラック、ボブスレー、さらにはボディをコーデュロイで覆ってボタンで押さえたポルシェ924 といった珍品も並ぶ。そのほか、ドイツのドライバー兼エンジニアのオットー・マテと、伝説的チャンピオンのウォルフガング・フォン・トリップスの生涯を紹介した展示も大きな柱となっている。

編集翻訳:伊東 和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Translation:Megumi KINOSHITA

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