次世代に引き継ぐべきグッズたち ファッションマイスターは「有名グッズコレクター」

Photography:Ryota SATO , Junichi OKUMURA

ロサンゼルスを拠点に1970年代からファッションビジネスに携わってきた大坪さん。現地でも有名なDSコレクターだった彼のグッズコレクションが大放出された。「次世代に引き継いで貰いたい」という思いと共に、その貴重なコレクションの一部を紹介する。

20代だった1976年に渡米。その後29 年にわたりロサンゼルスに在住し、自らのファッションビジネスを展開してきた大坪洋介さん。そんな大坪さんはデニムを中心とするファッションマイスターであると同時に、「超絶シトロエングッズコレクター」としても知られている。


 
大坪さんが収集してきたのは、シトロエンのなかでも「DS」の実車と、関連グッズだ。「アメリカに住んでいると普通はアメリカ車を買いたくなるものかもしれません。しかしわたしの場合、アメリカ車はキャンプ用のバン1台しか買いませんでした(笑)。とにかく、DSという車に魅了されてしまったんですね」
 
渡米5 年後の1981 年に初めて、1967 年DS21パラスを購入。そしてDSのことを知っていけばいくほど、そのワン・アンド・オンリーな魅力にノックアウトされていった。「まるで生き物のような構造であり、当時のイノベーションの結晶でもある。その頃にはすでに『自分は一生DSとともに暮らしていくぞ!』と決意していたことを覚えています」


 
いつしか手元にあるDSの実車は13台となり、そのうちの1台はロサンゼルスにある自社オフィス内に、自分のデスクから見える形で配置した。「気に入ったモノは常に視界に入れておきたいし、大好きなモノに囲まれて暮らしたいじゃないですか?」
 
そんな大坪さんの気質とDS愛の帰結として、「DS関連グッズの蒐集家」になるのは必然だった。
 
アメリカから撤退した米国各地のシトロエンディーラー跡地を訪ね、埃をかぶって放置されていた看板類やパーツなどを買い取った。また本業のほうでヨーロッパやアジアの各国へ出張した際は、新たに発売されたDSのミニカーを見つけるたびに、そのほぼ全色を同時に買い求めた。赤いペダルカーの入手先は、パリ郊外に住むペダルカーのコレクター氏だった。



「仕事でパリに行く前にその方の存在を知り、手紙とファックスで事前に連絡を取ったうえで訪問したんですね。で、めでたく譲っていただいたわけですが、パリ市内のホテルへはこのペダルカーを担いで、電車とメトロに乗って帰りましたよ。電車内では地元の人たちから『ムッシュ、担ぐんじゃなくて、それに乗って帰りなよ!』とか冷やかされましたが(笑)」
 
長きにわたり生産され、そして今なお愛され続けているシトロエンDSという車。それゆえその関連グッズも、星の数ほどのメーカーが、星の数ほどの各種素材を使って製造してきた。それだけに「集めるのは大変でした」と言う大坪さん。
 
今は、大変な思いで集めてきたコレクションを「次世代を生きる誰かに託し、引き継いでもらえれば」と考えている。そう。そんな思いが代官山蔦屋での大放出に繋がったのだ。

※代官山蔦屋での展示販売は終了しています。

文:谷津正行 写真:佐藤亮太、奥村純一 Words:Masayuki TANITSU  取材協力:代官山蔦屋書店 クルマ・バイクコーナー  Thanks to DAIKANYAMA TSUTAYA BOOKS Cars and Motorcycles https://store.tsite.jp/daikanyama/

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