世界各地の個性派シトロエン│日本では見れないモデルたち

PEUGEOT CITROEN JAPON

シトロエンは近年、モータースポーツの分野で世界戦を戦い続けている。ラリーのWRCでの活躍がいちばん目立ち、2002年以来、フルワークス体制でない年もなくはなかったが、現在まで参戦を継続してきている。2014年から16年までは、世界ツーリングカー選手権WTCCが主戦場だった。実はその前にも、1993年から5年連続でクロスカントリー・ラリーのワールドカップを制していた。メーカーが各地を転戦するシリーズを戦うのは、その地域で車を売るためのPRになるというのが理由のひとつだ。とくにラリーは、ベース車両が大衆車で、しかも公道を舞台にして行われるので、一般ユーザーへのアピールになるといわれている。シトロエンが世界を転戦するシリーズに積極的に取り組んできたのは、シトロエンが世界で車を売るメーカーだからだ。


 
アンドレ・シトロエンの時代から、シトロエンは国際的志向が強かった。強力なアメリカン・コネクションを築き、全鋼製ボディなど、アメリカの進んだ技術を導入して、ヨーロッパ1位のメーカーとなった。当時はまだ世界中に車を売るということはなく、第二次大戦前から極東の日本へも少量ながら輸出をしていたとはいえ、大西洋や太平洋を越えて大規模に輸出するようなことはなかった。それでもイギリスに工場をつくったほか、欧州では広く車を販売した。そして戦後はほかの主要メーカーがそうだったように、世界進出を展開することになった。
 
海外市場におけるシトロエンは、本国フランスと基本的に同じモデルが売られ、生産されたが、なかにはオリジナルのモデルもあった。2CV系モデルは、中東やアフリカ、東南アジアなどで、独自ボディのモデルが存在した。イギリスで少量ながらビジューという樹脂製ボディのモデルがつくられたこともあった。
 
1980年代のルーマニアでは、派生車種でないオリジナルのモデル、オルトシトがつくられ、アクセルという名でフランスにも逆輸入されたが、品質が悪く失敗に終わった。近年では、フランスで売られるモデルでも、スペインや中欧諸国などで生産されることもめずらしくなくなっている。戦略的プロジェクトとしては、トヨタとの合弁によってチェコでつくられるC1がある。


 
フランス国外で生産されて国外でだけ売られるモデルも、特に最近は増えてきている。地球の裏側の南米は、巨大市場のブラジルを中心に地域固有のビジネスが展開されており、C3ピカソのクロスカントリー版が独自に売られたりしている。現在ではヨーロッパに次ぐシトロエンの重要市場となっているのが中国であり、多くの独自モデルが生産され、売られている。当初は、1990年代のZXなどの旧モデルを売ったりしていたが、近年は最新モデルの導入はもちろん、欧州未導入のハイエンドモデルなども専用に開発して売っており、シトロエン・ブランドにとって新たな展開となっている。

文:武田 隆 Words:Takashi TAKEDA

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