ジャガーの歴史に残るデザイナーが語るXJ6の素晴らしさとは?後編

Photography:Paul Harmer



X350のプロジェクトをやり直することを却下され、先進的なアルミ製のボディが伝統的な見た目の車に追いやられたので、カラムは代わりとなるプロジェクトを始めた。

「着任した初日からモダンなジャガーがどんな見た目で、どんなフィーリングを受けるべきかを考えていて、だから7年後にはそれを実現させる準備ができていたんだ。スポーティーでなければならなかったが、設計担当のスタッフたちは、車高を低くさせてはくれなかったので、横から見た輪郭はとても重要だった。私が参考としていたのは、S1だった。当時、革新的な車だったからね。ジャガーの部分的特徴も備えてはいたが、それよりも重要だったのは、プロポーション、興奮を与えてくれるか、それにライオンズの誇張するテクニックだった」


「横からの見た目は滑らかでなければならなかったので、私たちはそこから取りかかったんだ。黒色のCピラーにより浮いているカンチレバールーフの様で、スピード感がある印象を与え、ウィンドウグラフィックはそのクラスでは最強。小さなサイドガラスのラインが、より車をステルス感とアグレッシブな感じにしている。大きなグリルはS1そのままだ。いつも私は、"もしライオンズが90年代にも存在していたら、今どんなことをやっていただろう?"って考えていたんだ。きっとレトロな見た目の車だろうって思って、そこにたどり着くため、大きな一歩を踏み出さないといけなかったのさ」

X351はどう変わりましたか?「進化した。発表から9年経ったが今でも魅力的だ。嬉しく思うよ」では、最大のチャレンジは?「他の人たちの車を計測して集めた様々なサイズを基に、新しいことやおもしろいことをやることだね」

「この車、後部に様々な形があって、ライトについてはなにかまったく違うものにしたかった。伝統的に、ブリティッシュな縦型のランプにし、スピードを感じる様に包み込む様に取り付けることにした。それらは議論の余地はあるけど、後悔はしていないよ。ジャガーの控えめなエレガントさを復活させたい思いもあった。後部のブートパネルは平凡に見えるかもしれないけど、納得できるようになるまでに何ヶ月もかかったんだ」

2世代目には、少し大きいグリルと同時に新しいグラフィックとテールランプ(J-bladeとして知られている)を使った。これもまた誇張するスキルだ。

それでは、カラムが自分のためにジャガーを1台選ぶとしたら?

「僕は4年前に買ったXJ4.2Cを持っているよ。窓が開いていると遮るものがなく、とても美しいシェイプをしてるんだ。シリーズ1バージョンもいいなと思っただろうけど、作られることはなかったんだ」

オクタン日本版編集部

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