日本が誇るヴィンテージ フォルクスワーゲンのイベントに潜入!

Junichi OKMURA

世界一売れた車といえば、何を想像するだろうか。その答えとしては、フォルクスワーゲン タイプ1だ。ビートルという愛称で親しまれ、2003年の生産終了までに2000万台以上が生産された。

その後は、ニュービートル、ザ・ビートルとして生まれ変わり、世界中から愛されてきたビートルは、惜しまれながらも2019年に3世代目でそのモデルの歴史に幕を閉じることに。しかし、街中でも見かけられるように今でもタイプ1を日常の相棒として楽しんでいるオーナーは多く存在する。もちろん、ビートルだけでなく、カルマン・ギアやバス(Type2)、Type3などのモデルも、今なお愛されているフォルクスワーゲンだ。 


そのようなヴィンテージのフォルクスワーゲンを愛する人々が集う、2年に一度開催される本格的なイベントがKlassisches VW Treffen In Japanである。日本でのビートルブームの先駆けとなったショップ、フラット4が主催を務めており2019年度の開催で第6回目を迎えた。クルーズのゴールでカーショーなども行われた10月20日(日)の舞台となったのは、恒例のメタセコイヤ並木道のある富士裾野の「帝人アカデミー富士」で、50台を超えるヴィンテージ VWが日本各地から集まった。


現代のビートルといったら赤やオレンジを想像するかもしれないが、ヴィンテージVWはブルーやグリーン系の車両も多い。

エントリー参加対象となるのは、下記の車両だ。
TYPE-1 1959年モデルまで
TYPE-2 1958年モデル(リブバンパー)まで
カルマン ギア 1959年モデル(角テール)まで
VWコーチビルドカー 1959年までに生産されたVWベースのコーチビルド&ミリタリーモデル
シングルナンバー車 1967年モデルまでのVWでシングルナンバーを掲げた車両または、1965年モデルまでのPORSCHE356シリーズでシングルナンバーを掲げた車両

      今となっては貴重なシングルナンバー車両。

クルーズを終えた車両は、並木道をあがりそれぞれ所定の場所へ駐車。秋の木々とヴィンテージ VWが雰囲気を醸し出す。本来は芝生の上での展示を予定していたが、先日までの悪天候の影響を考慮し並木道での展示となった。

      このメタリックなカラーはストラトシルバー。

入り口からあがっていくと、ずらりと並んだVWがお出迎えし、その先にはバラエティに富んだアイテムを販売するフラット4をはじめとした、関連グッズのショップが並んでいる。それはパーツであったり、ミニカーであったり、雑貨であったりと様々だ。

      フラット4ブースでは、イベント限定のグッズも販売された。バレンタインに向けたビートルチョコにも注目だ(展示のみ)。



その中で、あるショップが展示していた1台の車が注目を集めていた。ヤナセ・スポーツクーペ YX1200である。1963年にビートルをベースとして、ヤナセがボディ架装を施したもの。非常に貴重な1台であり、これから実働できるまで直していく計画だそうだ。



加えて、フラット4が持ってきた1944年 シュビムワーゲンも展示された。これは、戦時中にドイツ軍が使用していたもので、4輪駆動の水陸両用モデルだ。



もちろん、1976年にフラット4を創業した人物である小森隆氏も参加。「とにかく空冷VWが好きで世界中どこでもイベント行っていたね」と、愛車であるシングルナンバーの1959年 Type1を前にして話してくれた。日本中から集まり、空冷VWエンジンらしいサウンドを立てているVWの数々を見て、嬉しそうにしていたのが印象的だった。


小森氏のType1は、もちろんシングルナンバー。

イベント終盤になるとアワード受賞式がスタート。ロングディスタンス賞、フォルクスワーゲンジャパン賞、フラット4賞、レッツプレイ フォルクスワーゲン賞などが用意され、それぞれ受賞者にはイベントオリジナルの盾がプレゼントされた。ロングディスタンス賞は最も遠くから参加したオーナーへの賞で、今回は北海道からの参加者に授けられた。車両は1966年 Type3 ファストバックである。途中で道に迷い、大変なこともあった道中であったそう。


ナンバーは札(札幌)のシングルナンバー。北海道よりはるばる参加。

フォルクスワーゲンジャパン賞は、1959年 カルマン ギア コンバーチブルであった。荷台を付けて走っており、犬も一緒に参加していた。オリジナルで良コンディションでありながらも、様々な遊び方をしている点が評価された。



ちなみに、ヴィンテージ VW乗りには犬好きも多いようで助手席に大きな犬を乗せて参加しているビートルのコンバーチブルの姿などもあった。そのおかげもあり、和気あいあいとした雰囲気が流れているのがこのイベントの特徴でもあると思う。


フラット4賞には、1950年 Type-1 コンバーチブルが選ばれた。同モデル自体が珍しいものであることかつ、見事にオリジナルコンディションを保っていることが選出された理由だ。





授賞式を終えると、選ばれしVWが並べられた。こうして見ると、それぞれの個性が一層輝き、ひとつひとつの良さを改めて感じられるものだ。すべての車において、オーナーには楽しかったことや、困ったことなど様々な思い出が長きにわたって刻まれているのも古い車の魅力のひとつではないだろうか。



ビートルは生産終了になったとはいえ、その存在が無くなり人々の記憶から消えることはないはずだ。これからも色々な場所で、様々な人々と思い出が刻まれていくであろう。

オクタン日本版編集部

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