クイーンのフレディ・マーキュリーが愛したロールス・ロイス シルバーシャドウを再び手にするのは誰だ?

Neil Fraser ©2022 Courtesy of RM Sotheby's

イギリス時間10月13日にイギリスのロックバンド「クイーン」が、フレディ・マーキュリーのヴォーカルをフィーチャーした未発表曲「Face It Alone」を、新曲としてリリースすると発表した。フレディがエイズでこの世を去ってから30年以上が経つが、いまだに新たな作品がリリースされるというのは驚きである。クイーンファンは感無量だろう。

新曲がリリースされるこのタイミングで、クイーンに関するさらなるホットなニュースをお届けしたい。



自動車に宛てたラブレターとも言える曲「I'm In Love With My Car」は、1975年のアルバム「A Night at the Opera」に収録されている曲だ。ドラマーを務め、クイーンの中でも随一の車好きでもあるロジャー・テイラーが作詞・作曲し、歌ったこの曲は、彼の代表的な曲の一つである。この曲は、大の車好きで、当時トライアンフTR4に夢中だったクイーンのローディー(コンサートのサポートをする裏方)であるジョナサン・ハリスからインスピレーションを得たと言われている。

クイーンにとって車というのは、バンド活動を支える重要な存在の一つだったのだろうと推察されるが、クイーンの活動を裏で支えたとある一台の車が、再び我々の前に姿を現した。



今回、11月5日にRMサザビーズ主催で開催されるオークション「LONDON」に出品される1974年製のロールス・ロイス シルバーシャドウは、フレディ・マーキュリーが1979年から亡くなるまで、10年以上にわたって彼が所有していた車だ。

ブルーのインテリアにシルバーチャリスで仕上げられたこのシルバーシャドウは、1974年6月に英国で初めて登録された。この車の初期の姿の記録は残っていないが、1979年にフレディの会社、グース・プロダクション社がこのロールス・ロイスを入手したことが記録されている。フレディは運転免許を取得していないことから、彼がこの車を運転したとは考えにくいが、シルバーシャドウはクイーンの大ヒット全盛期の間、主にロンドン市内の移動の際に使われていたようだ。実際、フレディの生涯を描いた大ヒット映画「ボヘミアン・ラプソディ」では、フレディがライブエイドの会場に向かうシーンなどにこの車が出てくることからも、彼が頻繁にシルバーシャドウの後部座席に乗っていたことが伺える。



この車には、ワークショップの請求書にフレディの名前が記載された履歴ファイルが付属している。興味深いことに、このファイルの書類の多くは、フレディの生涯の恋人であり元パートナーのメアリー・オースティンの名前が記録されている。彼女はフレディのシンガー活動だけでなく、ロールス・ロイスの維持管理もサポートしていたのだ。また、クイーンのバンドマネージャーを長く務めたジム・ビーチの手紙には、この車の所有者がセレブであることを証明すると記されている。ジム・ビーチは、1991年11月にフレディが亡くなった後も、シルバーシャドウは彼の妹であるカシミラ・クックが運転し、その後2003年にフレディ・マーキュリー財団がこの車を買い取ったとコメントしている。このロールス・ロイスは、2013年にオークションでロシア人ファンが購入するまで、クックと彼女のパートナーによって長年に渡って運転を楽しまれてきたのだ。



本車両は、長期間保管されていたため、走行前に機械的な点検を受ける必要がある。シルバーシャドーの、ブルーにシルバーチャリスという工場出荷時から維持されているカラーリングや、V型8気筒の轟音がインスピレーションになった曲はあるのだろうか。



稀代のロックスターが愛したこのロールス・ロイスの次の所有者になるのは誰か、そして一体いくらで「ハンマーが打ち下ろされる」のか、非常に気になるところだ。なお、このロットの販売収益はすべて、ウクライナを支援するために設立された慈善団体「Superhumans Center」に寄付される。

オクタン日本版編集部

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