ラ・フェスタミッレミリア25回記念大会|育んできたことは「仲間」の絆

Ryota SATO, Kazunobu KATAOKA



競技志向がさらに高まる


今大会は2022年9月16日から9月19日までの4日間での走行競技が行われた。走行拠点としては東京の原宿にある明治神宮をスタートし、福島裏磐梯から栃木日光を巡り、千葉の成田と木更津を抜けて幕張でゴールする約1,204kmもの長いルートだ。

ちなみに開催に先んじ、9月2日にイタリア大使公邸にてLa Festa Mille Migliaの25回記念を祝したガラディナーも開催された。名誉総裁である彬子女王殿下およびジャンルイジ・ベネデッティ駐日イタリア大使ご夫妻の臨席を賜り、盛会の内に終了している。このような礼節あふれる式典を重ねているのもラ・フェスタの歴史を支えてきた大きな要因である。

ラ・フェスタミッレミリアへの参加車両資格は以下のようになっている。
A:Vintageクラス
(1919年~1929年に製造)
B:Post-Vintageクラス
(1930年~1939年に製造)
C:Post War-Iクラス
(1940年~1949年に製造)
D:Post War-IIクラス
(1950年~1957年に製造)
E:Closed Listクラス
(1958年~1967年に製造)

競技としては、Contorolli Orari(C.O.)と呼ばれる定時点検やスタンプ点検、そしてProve Cronometrate(P.C.)という一定区間の通過時間を計測する能力テストの総合獲得点数によって順位が決まっていく。特にクラシックカーラリーにおいては、このP.C.競技への緻密な戦術が各チームの勝敗に大きく影響をもたらす。今年の25回大会では4日間において過去最高の 103セットもの P.C.競技が用意され、参加者へのさらなるチャレンジ精神を求めることとなった。



9月16日、早朝。明治神宮参拝者駐車場には多くの本格的なクラシックカーと、揃いの服装で引き締まった雰囲気のドライバー、コ・ドライバーが続々と集まってきた。ラ・フェスタミッレミリアにおけるスタート風景は、ある種クラシックカー好事家にとっての風物詩になっている。久々の邂逅を喜び、互いの車両を愛でながら競技の健闘を誓い合う。他の世界にはなかなか見られない、独特のステージが織りなされている。

スタート前にいくつかの確認や作業があるが、特に初参加者への説明は大切である。短時間であるが競技委員による注意事項の詳説があり、そして「わからないことがあれば、いつでも聞いてほしい」という声掛けで緊張感もだいぶ和らいでいく。参加者は協賛各社が用意した多くのグッズを手にし、自らゼッケンやステッカーをボディに貼り付け、ストラップを首に掛けてエンジンの暖気を行う。午前11時からの明治神宮南門広場からの出発の備え、各チームで士気を高めていくのだ。

オクタン日本版編集部

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