「MSCヨットクラブ」が贈る至極のクルーズ|「船の中にある特別な船」と評される理由を探る

Octane Japan


専用エリア以外でのプライオリティ


もちろん、MSCヨットクラブの専用エリアに閉じこもっているだけではもったいない。船内には和食やステーキ、メキシカンなどの専門レストランがある。これらのレストランを予約したければ、24時間対応の専属バトラーが手配し、必要に応じてエスコートもしてくれる。

コミュニケーションに関しては、たとえ英語ができなくても大丈夫。たしかに言葉の壁はあるけれど、それは英語を話せないゲストの問題ではなく、日本語を話せないクルー側の問題ですから、とバトラーは言う。カタコトの英語があれば意思疎通には十分だし、仮にカタコトの英語も話せないゲストに対しては必要に応じて翻訳機を使用したり、日本語がわかる同僚クルーに添削してもらった日本語の手紙を部屋に届けて文通さながらに心を通わせるコミュニケーションをするという。筆者のキャビンを担当してくれたスリランカ出身のバトラーは、母国語、英語、フランス語、イタリア語を話せるというが、日本発着のクルーズが始まっておよそ2カ月が経った現在では、勤務後の時間を使って日本語の勉強を日々続けているそうだ。彼の今後の日本語の上達が楽しみである。

MSCヨットクラブのゲストには、クルーズカードに加えて、控えめなネイビーカラーのリストバンドが用意される。これはカードキーの代わりにもなるし、MSCヨットクラブの乗客であることをクルーにさりげなく伝える役目も果たしているのだろう。実際、このリストバンドを着用していれば、デッキ6にある「ロンドンシアター」で毎晩開催されているショーも予約不要で並ぶ必要もなく、最前列と2列めに確保されたMSCヨットクラブ専用の席で観ることができる。このように自然な形でプライオリティが随所に用意されているのは、非常に嬉しいポイントだ。

MSCヨットクラブのゲスト専用のリストバンド。ルームキーや船内クレジット決済時に利用することができる。

デッキ6の「ロンドンシアター」では毎晩ショーが開催される。鑑賞は無料だ。

プライオリティはさまざまな場面で実感することができた。たとえばエレベーター。船内の2基のエレベーターでは、MSCヨットクラブのクルーズカードをかざすことで優先利用をすることが可能となる。他の階に停止することなくスムーズに目的の階へ行くことができるのは、4000名近い乗客が乗っている船内ではとてもありがたい。

他にも、船長がいちばん最初にゲストへの挨拶に訪れるのがMSCヨットクラブ限定のカクテル・パーティーであることも、プライオリティのひとつだろう。航海中に開催されるカクテル・パーティーではMSCヨットクラブのバトラーとディレクター、ホテルディレクター、そしてキャプテンが一堂に会し、ともに乾杯する機会が供される。

キャビンにこんなインビテーションが届けられる。


オクタン日本版編集部

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