嵐の後に訪れた、ヴァンセンヌ旧車会定例ミーティング

Tomonari SAKURAI

パリはずっと雨続き。先日は1999年以来の嵐で大荒れだった。1999年も大風で木々がなぎ倒されるなど被害が大きかったが、今回はその3倍の風力というもの。そんな中、無謀にもバイクで出かけた僕は、高速道路では直進なのにバイクを傾けて走っていたほどだ。濡れた路面にへばりついた枯葉で滑る滑る!下道に降りるとあちこちで迂回させられた。木が倒れ道路を塞いでいたのだ。鉄道も一時運転見合わせ。停車中の電車からも外に出ると危険だということで、乗客も外に出られないというほどの状態だった。

嵐が去っても雨がやまない。そんな中ヴァンセンヌ旧車会の定例ミーティングに出かけてみた。ヴァンセンヌ駅を降りるとなんと青空。陽が射してきたではないか。しかし朝からの悪天候で、さすがに参加台数は少ない。そんな中アルファロメオが多く参加している。雨天仕様でハードトップを載せたスパイダーS4や、ジュリアやジュリエッタも雨に負けず参加している。

アルファロメオ ジュリアスーパー1300。

アルファロメオ 1750。

アルファロメオ スパイダーS4とアルファ勢が続く。

先に進むとひときわ目立つ一台がある。戦前のマシンだ。車内には傘があり傘を差してやってきたのだろうか?なかなかの強者である。それはAustin 7 Aero engined specialだ。エンジンはベルギーのバイクメーカー、サロレアのもの。サロレアは現在その名を復活させ、エレクトリック・スーパーバイクと銘打ってレーサーモデルManx 7を発表している。

本日の主役!?Austin 7 Aero engined special。1933年製。



その隣にはDS21ベースのガレット・キャリアカーが。この車を見ていた夫婦。奥さんが「これなんだっけ?そうだ!GSよGS!」。すると旦那さんが「DSだよ」。すると奥さんが「GSよ!」と引き下がらない。そんなやりとりが聞けるのも車好きだけでなく、散歩に来ていた人たちも楽しんでいるこのミーティングらしいやりとりだ。

DS21ベースのガレット・キャリアカー。

後ろから見ると、DSを積んだときにフロント周りが一致するカーブになっているのがわかる。

台数は少ないながら、バイクも参加していた。ヴィンテージっぽいバイクが数台。ロイヤルエンフィールドとBSAは、ともに現代のバイクで、当時のバイクに紛れてそんなバイクもいる。日本車はカワサキマッハIIIが参加していた。

空冷フィンが美しいがラジエターが見える?現代のBSA ゴールドスターだ。

こちらはヴィンテージ。BSA B44 Victor Special。

カワサキは2ストのマッハIIIが2台参加。

もう寒くなったパリ。旧車には優しい季節だがなかなか秋晴れといった感じがない。撮影を終えてここを離れた途端に真っ黒な雲に覆われ大粒の雨が降り始めた。さすがにこの雨のせいで、今回は足早に帰っていく人が多かった。また来月、今年最後のミーティングでお会いしましょう!


写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

Tomonari SAKURAI

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