バック・トゥ・ザ・フューチャーのデロリアンの知られざる悲劇的な歴史とは

デロリアンDMC-12



黄金の車と銀幕の車

アメリカンエキスプレスの1981年クリスマスカタログに、興味をそそる小見出しがあった。「今年のクリスマスは、虹の足下に眠る黄金をお届けします」。そして、裏表紙には、黄金のDMC-12の写真が3枚。「24金で覆われた車が、たった8万5000ドルであなたのもの」と。



当時、アメリカンエキスプレスの上級バイヤーだったスチュワート・クレイヴンによれば、それは大変なプロジェクトだったという。ステンレスパネルの金メッキは容易ではなかった。

ドイツのデグサ社が2台分を請け負ったこの仕事を「組み立ての過程には、たくさんの問題がありました。水垢の落とし方、金メッキのコーティング法に加え、金メッキしなければならない小さなパーツがたくさん残っていました」とクレイヴンは振り返る。予想を大幅に超える苦労に、この企画は2台だけに終わった。

そして、1985年の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、タイムマシン用に宇宙船のような外観の車を探していた監督のロバート・ゼメキスの目にデロリアンDMC-12がとまった。

映画は大成功を収め、多くの人々をとりこにした。DMC-12は伝説の車となり、珍しい車を貸し出す副業で多くのオーナーの懐を潤すこととなったのだ。



「晴れた日にはGMが見える」が発刊される直前の幸せだった頃——1977年、ジョン・Z・デロリアンと最初のプロトタイプ


ダンマリーでの生産工程は効率的だった。コンポーネントの大部分は、外部のサプライヤーから供給された

デロリアンDMC-12
エンジン:2,849cc 、V型6気筒、SOHC、ボッシュ・Kジェトロニック燃料噴射装置、触媒コンバーター付き
最高出力:130bhp/5500rpm
最大トルク: 153lb/ft /2750rpm変速機:前進5段MT(3段ATはオプション設定)
駆動方式:リアエンジン、後輪駆動
サスペンション(前):独立式ダブルウィッシュボーン、コイルスプリング
サスペンション(後):独立式ダブルウィッシュボーン、コイルスプリングブレーキ:4輪ディスク、サーボアシスト付き
0-60mph加速:10.5秒
車重:1244kg 最高速度: 201km/h

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編集翻訳:松尾 大 Transcreation: Dai MATSUO 原文翻訳:木下 恵 Translation: Megumi
KINOSHITAWords: Keith Adams Photography: George Bamford

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