「舞い降りた船のよう」と評されたシトロエンDS

Photography:Hitomi RYOKE

2019年はフランスを代表する自動車ブランド シトロエンが創立100周年を迎える。数々の名車を生み出してきたシトロエンの中でも、特に人気のモデルであるのがDSシリーズ。

1955年のパリ・サロンでデビューし、ステージ上に飾られたDS19はだれの目にも斬新に映った。舞い降りた宇宙船のようだと評されたそのスタイリングだけでなく、金属バネの代わりに窒素ガスとオイルを使ったハイドロニューマチック・サスペンションの採用など、すべてが時流より20年以上も先を進んでいた。人々はこの未来的な乗り物に熱狂し、フランスでは発売初日だけでも1万2000台の注文が殺到したという。DS19は排気量の拡大や、廉価版、ワゴンボディの派生などを経て、20年間にわたって累計145万6115台が生産されるという成功作となった。




今日でも愛されるDSの60周年を祝い、2015年には大規模なイベントが開催された。生まれ故郷のパリで開催された60年祭は、フランス国内だけでなくヨーロッパ各国からおよそ600台が集まるという大規模なものになった。そのスケジュールは、まず、初日にパリ郊外にある由緒あるモンレリー・サーキットに参集してサーキットランやコンクール・デレガンスなどを行い、二日目はパリ市内に向かい、グラン・パレ前やシャンゼリゼ通り一部を通過し、コンコルド広場に集結した。この模様をパリ在住の女性カメラマン、領家瞳のファインダーから紹介する。



1955年秋、セーヌ川に近いグラン・パレで開催されたパリ・サロンでDSはデビューした。60年祭でもグラン・パレを訪れた。(Citroen Archives) 



1958年のパリ・サロンでは、ワゴンボディのブレークとバン、ファミリアールが登場した。ファミリアールは大家族での移動に最適だった 


DSやその廉価版のIDはポリスカーとしても使われた。追われるギャングもまた、逃げ足の速いDSを使ったとか 


市街地をパレードする参加車。1967年にはDS/ID系がデュアルライトになった。内側のライトはステアリングと連動してコーナーの先を照らす


1960年にはパリのカロスリ、アンリ・シャプロンの手になる豪華なオープンモデルのデカポタブルが登場、カタログモデルとして少数が生産された 


アンリ・シャプロン製の極めてめずらしい2台のDSスペシャル・コーチワークが並ぶ。手前はラ・ダンディ、その奧がコンコルドだ 


こちらもスペシャル・コーチワーク。強固なプラットフォーム構造を持つDシリーズはこうした4ドアオープンボディの架装も可能だ 


タイヤが外れ!? 姿勢変化を補正するハイドロニューマチックは、こうして後輪を1輪外しても走行できるというデモンストレーション


パリに到着して広場にパークしたDS。停車後、次第に油圧が抜けていき車高が下がってくる 


DSはフランス政府の高官などVIPの足としても使われた。これはセンターパーテションを備えたモデル。テーブルや電話が備わる

オクタン日本版編集部

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