イスレロに代わるおもしろい選択肢の一つ│ランボルギーニ・ハラマ

Haiman Ltd.

ハラマは先行のイスレロに代わるスポーティーなGTという位置づけで誕生したクーペである。デザインはベルトーネが担当した。エスパーダのプラットフォームを短縮して使用し、10インチ近く全長は短いが、車重はそれほど変わらない。

3.9リッターのV12エンジンの出力も同じだった。
とはいえ最高出力は350bhpに上るから、160mphのパフォーマンスを誇る。シャシーもパオロ・スタンツァーニが非常にバランスのよいものに仕上げた。現在、ハイマンLtdでアメリカ仕様車が販売されていることからも分かるように、ハラマはアメリカでの売上向上を第一に開発された。

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デザインはマルチェロ・ガンディーニの手により、インパクトではエスパーダに及ばないものの、目を引く形やディテールが多い。低いフロントエンドを特徴づけるNACAダクトや半分だけ隠れたヘッドライトがその例だ。また、ミウラ風のカンパニョーロ製ホイールも美しい。

車内に目を転じると、エスパーダとの関連がはっきり感じられる。広々としたガラスエリアによって車内はゆったりとした印象だ。明るい色のカーペットとレザーシートもそれに貢献している。後席もあるが、ホイールベースが短いため、エスパーダほどの空間はない。トランクは広く、必要に応じてリアのベンチシートを折りたたんでラゲッジスペースを増やすことが可能だ。



このハラマ400GTはアメリカ仕様なので、サイドのターンランプに加えて、エアコンとパワーウィンドウも装備する。希少性も高い。400GTの製造はわずか177台(のちの400GTSが150台)だ。ハラマもまた1970年代の石油危機の煽りを受けたのである。

新車としてニューヨークのモデナ・スポーツカーズに1972年3月に納車された。現在の走行距離は約4万5000マイルで、販売するハイマンによれば、大部分が未レストアのオリジナルコンディションだという。高品質の再塗装が済んでおり、車内も軽く手を掛けてある。V12搭載のイタリアンGTを探している人がいたら、王道ではないが面白い選択肢として一考の価値がある。

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation: Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Translation: Megumi KINOSHITA

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