ぶっ通しで4日間走り続ける過酷なヒストリックカー・ラリーに参加

Photography:Francesco Rastrelli, HERO



火曜日朝6時、まだ眠りの中にいると、ニックはクリスマス・キャロルを歌ってやさしく起こしてくれた。今日は最後の戦いだ。夜明けのレギュラリティーは厳しいが、いたずらっ子のような彼の目が私の緊張を解きほぐす。午後早くにはバグパイプが響き渡るジョン・オグローツに到着できる。私たちは得意気だった。このままうまく行けばウィックの街でクラス優勝と念願の銅メダルを頂戴できるのだから。

最後のランもうまくいった。公式の総合順位は発表されないのだが、アンディ・レインの計算によれば私たちは10位以内の成績になるだろうという。ニックにはその卓越した忍耐強さから"TJルーキー"の称号が与えられた。

忍耐もそうだが、
レギュラリティー・ラリーの真髄を学ぼうとする彼の姿勢は、このラリーに関わるすべての人から賞賛を受けていた。表彰式で私はひとりのリポーターとして、この素晴らしいラリーを全世界に伝えたいと、9カ国からはせ参じた参加者に向けてスピーチした。モータースポーツ全体から見ると小さな枝のひとつにすぎないが、このラリーは賞賛に値するものがある。



加えて、参加したドライバー、ナビゲーターは改めて敬意の
念を表したい。

私はこれまで7つの極寒のラリーを走り、10のキャメル・トロフィー、2つのダカール・ラリーを戦ったことがあるが、そんな経験から見てもル・ジョグはもっとも過酷なラリーだと今でも思っている。次回の成功も心から祈る。

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編集翻訳:尾澤英彦 Transcreation:Hidehiko OZAWA Words:Tony Jardine 

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