勝利のブランドとしての勢いを感じさせるCセグメントカーとは?

PEUGEOT CITROEN

2000年代に入ってから、シトロエンのWRCでの大躍進が始まった。シトロエンはDSやCXの時代にも、ラリーで強さを見せていたが、現代的なスプリント化したラリーに積極的に取り組み始めたのは1980年代のことだった。ヴィザがその端緒となり、失敗に終わったBX 4TCを経て、AX、ZX、サクソと、ラリー活動を展開した。
 
その後クサラでWRCトップカテゴリーに本格的に打って出ることになった。まずは2WDから始めて、2002年に4WDのWRカーで本格参戦を始めると、早くも2003年にチャンピオンに輝く。稀代の名手セバスチャン・ローブを乗せて、2012年までに計8回のメーカータイトルと、9回のドライバーズタイトルを獲得した。シトロエンはWRCだけでなく、その前に参戦したパリダカール・ラリー、後に参戦したWTCCでも総合優勝を連続で飾っている。約20年余りの間、シトロエンは、まさに勝利のブランドであった。
 
ラリーでのその大活躍のさなか、2004年に登場したのがC4だった。もちろんC4は基本的に実用車であるし、シトロエンもスポーツだけが重要なメーカーではないが、C4は、なにか勢いにのる中で開発されたかのような、充実感が伝わってくるモデルだった。
 
C4にはセダンとクーペがあり、クーペはWRCマシンのベース車両になるモデルで、後部を切り落としたコーダトロンカ・ボディは、いかにもスポーティーな佇まいだった。なかでもVTSはその走りも賞賛された。
 
いっぽう4ドアのセダンはファミリーカーであり、外観デザインはクーペとは異なる。セダンは現代的な手法で、巧みにユニークにデザインされており、C3のときよりデザイン手法が高度化している印象もあった。この頃シトロエンのデザイントップは、後にPSA全体を指揮することになるジャン-ピエール・プルエであり、彼はダブルシェブロンをモチーフにとりこんだ新しいグリルをデザインしたといわれている。
 
C4は内装のデザインも見どころがあり、固定式のステアリングパッドや、センタースピードメーターなどを採用し、シトロエンらしい革新性を発揮していた。

文:武田 隆 Words:Takashi TAKEDA

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