シトロエンらしさの集大成となるフラッグシップモデル

PEUGEOT CITROEN

2000年頃から、シトロエンらしさのルネッサンスが展開された感があったが、その集大成ともいえるのが2005 年に発表されたC6 である。C3、C4に続いての登場だったが、フラッグシップモデルだけあって、シトロエンらしい独特の雰囲気がいちばん出ている印象で、古くからのシトロエン党を喜ばせた。
 
雄大なファストバックのスタイルが、いかにも上級シトロエンらしい。C6の外観デザインはCXを彷彿とさせるが、DSに通じるものも盛り込まれている。CXは、シンプルなファストバック+コーダトロンカのデザインだったが、C6は現代的に凝ったデザイン技法が用いられていた。その手法は先に出たC4とも共通性があり、ルーフのアーチがリアエンド下端まで巻き込まれている。



ただしテールランプ部分で一度段差がつけられていて、それはDSのリアデザインを思い出させる。さらにサイドのドアのシャットラインが、前から後にかけてしだいに間隔を縮めながら規則的に並ぶ部分なども、DSと共通性がある。リアウィンドウは逆に反り返っているが、それはCXとDSの両方へのオマージュと思われる。
 
サスペンションは、もちろんハイドロニューマチックであり、最新バージョンのハイドラクティブプラスⅢが採用された。C6は、ハイドロ系の正統派シトロエンとして、21世紀にもういちど、最後の花を咲かせたようであった。
 
このあとシトロエンのデザインは、新型C4とC5がドイツ的な常識路線に傾き、シトロエンらしさのルネッサンスはひとまず落ち着くことになる。C6も2012年で生産終了し、2代目C6が中国では売られているものの、ふつうの3ボックスセダンにすぎない。2016年に発表されたコンセプトカーのCXPERIENCEが、次期フラッグシップモデルとして市販化されるようになるのか、期待する向きもある。

文:武田 隆 Words:Takashi TAKEDA

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