ポール・マッカートニーの愛車 アストンマーティンDB6が日本に来るまで

Photography:Takashi KOGA(carkingdom)、Aston Martin Media



私は、以前CNN で、このDB6の特集(2015年放映)が流れていたことを覚えていた。ポール・マッカートニーが運転中、ふと『HEY JUDE 』のメロディが思い浮かび、オプション装備されていたカセットレコーダーで、それを録音したという逸話が残っている車だった。ポール・マッカートニーが所有していたというだけでなく、この車内でメロディが録音されたという"ヒストリー" は後々、高く評価されることになる。"将来的な価値が見込める" という理由からアストンマーティン側から提示されたのは、一般的なDB6の倍以上の価格で、残念ながらポール・マッカートニー車の購入話は流れた。そしてS氏はといえば、翌週にはネットで見つけたシャンパンゴールド色のDB6 をイギリスから購入してしまった。

 

私がマッカートニー車のことを忘れたころ、S 氏から「やっぱりポール・マッカートニー号を購入した」と衝撃的な連絡が入った。シャンパンゴールド色のDB6を手に入れたあとも、『HEY JUDE』のメロディが生まれた車というヒストリーがずっと気になっていたという。一度は諦めたが、アストンマーティン側から若干のディスカウントが提示され、価格面で折り合いがついたそうだ。いやはや、フレンチ君、いきなりDB6を2台も手にするとは⋯。

日本におけるアストンマーティン正規ディーラーのオープニングに併せて、本社から幹部が来日。S氏が売買契約書にサインする際、私は"紹介者" として立ち会った。

「実車を確認することなく私たちの技術とサービスを信頼してくださって感謝します。そんなSさんの信頼を裏切ることのない整備をしてご納車します」と語ったのちに、"Welcome to Aston Martin Family! " というキメ台詞とともに交わされた握手が印象的であった。



そして、アストンマーティン側から提案されたのは、マッカートニー号の納車整備の仕上がり確認およびゲイドンとニューポートパグネルのファクトリー見学への招待。そしてなんと「グッドウッド・リバイバル」への参加だった。アストンマーティン側としては、納車整備が行われるニューポートパグネルからマッカートニー号に乗って、グッドウッドまで3時間ほどのドライブを楽しんではという配慮だったのだろう。

文:古賀貴司(自動車王国) Words:Takashi KOGA 写真:古賀貴司(自動車王国)、アストンマーティン  Photography:Takashi KOGA(carkingdom)、Aston Martin Media

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