どんな場面でも最適な性能を発揮する熟成度│ベントレー コンチネンタルGT V8の性能

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注目のモデル、ベントレー コンチネンタルGT V8の魅力に迫る。<パフォーマンス編> 

グランドツアラー作りを得意とするベントレーにとってコンチネンタルGTはブランドの中心に位置するモデルだ。そしてその真骨頂は、グランドツアラーに求められる走りのよさと快適性の両立にあるといっていい。
 
この点は2017年に発表された3代目コンチネンタルGTもまったく同じだが、3年前のフルモデルチェンジではここに新たなミッションが加わった。それは「走りのよさと快適性のバランスを、これまで以上に幅広く、そして質を高めること」というものだった。
 
この困難な命題にベントレー本社のあるクルーのエンジニアたちはどのように応えたのか? 基本レイアウト、エンジン、駆動系、サスペンションの4つのパートに分けてご説明しよう。
 
3代目コンチネンタルGTの基本レイアウトでもっとも注目されるべき点は、先代に対して前輪の位置を135mm前方に移動したことにある。これによりエンジンはほぼホイールベース間に収まることになり、いわゆるフロント・ミドシップ・レイアウトに近づくこととなった。


 
このレイアウトがもたらす最大のメリットは、前輪より前に配置された重量物が減ることでZ軸回りの慣性モーメントを減少できる点にある。やや難しい表現だが、Z軸とはクルマのちょうど中心を天地方向に貫く直線のこと。もしも天に届くほどの巨人がこの軸を指先でつまんでコマのように回そうとすれば、車は路面上でクルクルと回転し始めると考えていただければいいだろう。そして慣性モーメントが小さいとは重量物が回転中心に寄せ集められているのと同じことで、前述した巨人の立場でいえば、より小さな力でコマ(この場合は車)を回すことができる。つまり、Z軸回りの慣性モーメントが小さい車は、コーナリング時により小さな力で向きが変わる特性を持つといえる。これは俊敏なコーナリングを実現するうえで重要な役割を果たす。


 
前輪を前方へ移動することは乗り心地の改善にも結びつく。なぜなら、もしも後輪の位置が変わらないとするなら結果としてホイールベースが長くなり、同じ硬さのサスペンションであればテコの原理で路面からの衝撃をよりソフトに受け止めるようになるからだ。つまり、前輪の位置を変えることでハンドリングと乗り心地の両方を改善できるのだ。
 

文:大谷達也 Words: Tatsuya OTANI

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