加工ではなく本物?コンテンポラリーアートとしてのシトロエンDS

markus tretter © gabriel orozco and kunsthaus bregenz

この写真を見ると、一瞬フォトショップなどで加工されたものかと思うかもしれないが、これは実物である。

これはひとつのアートとして製作されたもの。生み出したのは、メキシコの現代アーティスト、ガブリエル・オロスコである。彼はメキシコシティのサンカルロス・アカデミアで学び、その後マドリッドにシルクロデベラスアルテスでの研究を続けた。絵画だけ、オブジェだけ、という単一のものを扱うスタイルを嫌い、写真や絵画、彫刻などその作品は多岐に渡る。モチーフも多様で、ラテンアメリカの文化的伝統、モダニズム、コンセプチュアルアートなどが挙げられる。

以前、オーストリアのブレゲンツ美術館で、彼のキャリアの最も特徴的な作品を集めた「ナチュラルモーション」が催された。そこで特に注目を集めていた作品は、スピードカーとレーシングカーに魅了されたアート「laDScornaline」の一環として製作された、細長いシトロエンDSである。



彼は本物のDSを縦に切断してから、真ん中の部分を除いて組み立て直し、細長いボディを完成させた。リアに一人乗ることができるように見えるが、シングルシーターといわれている。もちろん、エンジンはないため大きなひとつのオブジェでしかない。こうして、機能を失わせることによって、DSがもともと持つオブジェとしてのユニークさを際立たせているのだそう。



車をモチーフにしたアートは世界中に数多くあるが、これほど衝撃的なインパクトを持つものはなかなかない。彼が今後発表する作品も楽しみである。

オクタン編集部

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