何台用意されていた?『ミニミニ大作戦』に登場するミニの真相!

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ミニ・クーパーはブレナムにツートンカラーで到着したが、2台はタータンレッドに、別の2台はオールドイングリッシュホワイトに、あとの2台はアイランドブルーで仕上げられた。映画関係者はよりアグレッシブな印象にするため、ボンネットのレザーストラップのような装飾品を付けるようサラモーネに求めた。サラモーネの学生時代の友人で、メリルボーン・レーンでレザーショップを経営しているロビン・ホエールはこう語った。「チャールズ・ディケンズの時代に戻ったようだったよ。文字通り、地下室に潜って薄い獣の皮革を引っ張り出して、朝3時までクールなストラップを作ったんだ」

ホイールとランプはサラモーネが無償で提供したものだ。「父の友人がシビエのインポーターで、ブレナム・モーターズの客でもあったんだ。彼にアプローチをして、よりタフな印象にするためランプを提供してもらって、メッシュガードに装着したんだ」ホイールに関してもサラモーネは、「私は過去にミニライトのアルミホイールを製造していたテックデルで働いていた。その馴染みで、少なくとも2セットずつそれぞれのミニ用にもらったんだ」と話した。

サラモーネは撮影の影響を思い出して、こう語った。「少なくとも3台のルーフがよじれていたよ。シャシーも曲がっていたしね。その3台は屋上からのジャンプで深刻なダメージを負って、ボディーが捻れてしまったんだ。まだ動かせたけど、BMCは売りに出すことを拒んだ。だから、廃車にされてしまったよ。2セット目のミニ3台は大丈夫だったし、プロモーショナルツアーに出す話もあった。でもそれは叶わなくて、再びお目にかかることはなかったね」NOC 74Fは儚くもダンロップのプロモーションフィルム『Vive Le Sport』(1969)で見ることができるが、他のミニのその後は痕跡すら残っていない。

DVLAの照合によると、システム上にミニはもはや存在しないことが明らかになった。しかし、DVLAの記録は1978年までしか遡ることができない作りのようだ。BMCの資料を保管しているゲイドンにある、ヘリティッジ・モーター・センターのアーカイブはミニ・クーパーMk1の登録情報の閲覧を許可していない。それは過去に実際に起きたクローニングを防ぐためだった。とはいえ、元帳には6台のミニの記録がないことは確認できた。付け加えて、さらに10台の赤、白、青のミニ・クーパーMk1(時系列的には6台のミニと近い)についてもBMCの記録がなかった。これらも、『ミニミニ大作戦』で使用されたのだろうか?未だに、6台のミニの行方は明らかになっていない。後にも先にも、世界で一番有名なミニがまだどこかに存在しているというのはあり得るのだろうか?

Words:Matthew Field(訳:髙野健人)

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