安全な車を作るはずが・・・「最も醜い車」と呼ばれたオーロラ

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かつて、世界で最も安全な車を作成しようとした結果、オーロラという醜い車が誕生したことがあった。

1957年に製作されたオーロラのプロトタイプは、これまでに製造された中で最も醜い車のひとつとして語り継がれている。設計を手がけたのは、エンジニアでやデザイナーではなくカトリックの司祭であるアルフレッド・ジュリアーノ神父だった。彼の目的は世界で最も安全な自動車を作ることであった。寄付された約3万ドルと4年もの時間を費やしてこのプロトタイプを製作したのだ。



生産モデルは、1万2,000ドルの販売価格が想定されていたため、当時では最も高価な車のひとつだった。(約1万3,000ドルのキャデラック・エルドラド・ブロアムが最高といわれる)

「最も醜い車」と呼ばれるオーロラのプロトタイプは、1953年 ビュイックのフレームの上に構築された。安全面を重視するため、車にはロールケージ、シートベルト、パッド入りインストルメントパネル、折りたたみ式ステアリングホイールが組み込まれていた。ワイパーがないのは、フロントウィンドウの形状からして必要ないと判断したため。スペアタイヤは車両のフロントエンドの下に収納され、衝撃を吸収する役目を果たした。しかし、最も革新的だったのは、衝突が差し迫っている場合にシートが180度回転し、後ろ向きになるように設計されていることであろう。



神父は車を作った後すぐに破産を宣言し、車を没収されてしまった。それからというもの放置され腐敗した状態のオーロラを、自動車愛好家のアンディ・サンダースが購入し、2005年のはじめからレストアを開始した。完成したオーロラは、イベントやミュージアムに時々姿を現しているそうだ。

オクタン編集部

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