「車は自分を写す鏡となる」ハリウッド級のカーコレクションを持つ男 アーミン・ポール

Porsche AG



ゲーム・オブ・スローンズの艦隊

壮大な視覚効果の技術はすぐにハリウッドからも注目を集めた。ゲーム・オブ・スローンズの第4シーズンから、マッケヴィジョン社は建物や船などの要素を担当している。同社は、2014年のエミー賞を含む数々の賞を受賞し、2020年にはウォッチマンとロストインスペースシリーズでも非常に作品に貢献したことで、再びエミー賞にノミネートされた。さらにポールはマッケヴィジョンをヨーロッパ、アメリカ、アジアにオフィスを持つグローバルブランドに成長させた。



「マッケヴィジョンはハリウッドが抱えている多くの難しい課題を解決できるでしょう」と語る。例えば流れる水というのはCGで作成するのがもっとも難しい視覚効果のひとつであるが、マッケヴィジョンには朝飯前だ。また、兵舎から中世の都市全体の構築や、膨大な数の船が港を攻撃する映像、エイリアンなどを作成したりすることもできる。ゲーム・オブ・スローンズはCGにニュースタンダードを作り出したのである。しかしビジュアルエフェクトの分野において必要なのはクオリティだけではない。スタミナも必要不可欠だ。

「とびきり強力な競合もいる上に、締め切りも決まっています。また監督とプロデューサーは数百万ドルの予算を計上する必要があるため、1度決まったことを実現できなかった場合、2度とハリウッドで仕事をすることはできません」

キュッと結んだポニーテールが似合う長身のポールは、仮想現実の世界を追求する一方でアナログな手作業も好きだ。「子供の頃はよく庭で親の手伝いをしたものです。私の両親は難民だったため、庭でいろいろなものを育て、うまく利用する術を身につけました」

将来的には車だけでなく、彼の2番目の趣味である有機果実の栽培にも時間をかけたいと考えている。彼は嬉しそうにこう話す。「甘いさくらんぼの取れる春から、クルミを楽しめる秋まで楽しみは続くのです」。マッケヴィジョンで彼はフルーツボウルに自分が作った果物を詰めてくることでも有名だった。



ガレージという言葉は彼が車を収容する場所を指すにはいささか小さすぎるかもしれないが、彼のガレージは約2600㎡を誇り、複数のホールが敷地内にある。置かれている家具は意外にも古いものが多く、ソファは中古な上に、飲み物が入ってるのはキオスクの古い冷蔵庫だ。

輝きを放つのは928GTSを中心に彼がブランド別に分類した24台の車だけだ。

「ここにある車の中で928が唯一、美学、運転の喜び、デザイン、日常使いのしやすさ、全てが揃ったセンセーショナルな車です」と、928について熱く語る。

オクタン日本版編集部

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