参加者自身が創り上げる夢のような時間|Tour d'Elegance Japan 2021

Kazumi OGATA, Ryota SATO, Claire and Ayesh


Day3:富士五湖から箱根・仙石原へ


快晴に恵まれた前2日には及ばないものの、この日も雨とは無縁の天候となったDay3。まずは河口湖、山中湖と富士五湖をコンプリートしたあとは、Day1に続いて再び御殿場へ。緑に包まれた静寂なガーデンテラスを望む「リストランテ桜鏡」は四季折々の食材をふんだんに使用した、イタリアンの名店。ただし、この日は朝早くの到着になったため、コーヒーブレイクの舞台に。既に2日間の行程を共にした、同じ趣味を持つ友との会話は、自然と熱を帯びたものになってくる。

御殿場からは乙女峠を駆け上がり、国道138号を仙石原から強羅へ。宮ノ下からは1月後の箱根駅伝 6区コースを山下りしていく。

大平台から塔ノ沢、湯本の商店街と駅を抜け、再び海沿いの道を行く。根府川駅付近から、細い山道を5分ほど進んだ先にあるのが「江之浦測候所」だ。



測候所と名付けられているが、公的な機関ではない。気象や地震の観測拠点ですらない。現代美術作家の杉本博司氏が構想 10年、工事 10年の歳月を経て、蜜柑畑だった場所を芸術庭園へと作り上げた。ギャラリーや庭園、石舞台や茶室など、多様な建築物で構成されており、東には相模湾の大海原が横たわっている。アートスポットは絶好の撮影スポットでもある。フォトジェニックなシチュエーションは、仲間との記念撮影に最適の舞台となった。



同じ趣味の仲間だから、気心が通じるまでの時間も短い。Day3にはドライバー・コドライバー同士、歴戦の友のような一体感が生まれていた。

直射日光を遮る薄い雲が広がり、風のない穏やかな気候のなかで昼食を味わうなら、お弁当だ。行列が絶えない店として知られる、小田原の名店「うなぎ亭友栄」の弁当は、大ぶりな鰻が御飯の上に敷き詰められている。肉厚の鰻はふわふわで香ばしく、甘すぎないタレも絶品だ。



車列は再び南へと向かう。熱海ビーチラインからアーケード街を通って、来宮駅から箱根の山へ駆け上がる。十国峠や芦ノ湖スカイラインで小休止を挟み、ゴール地点の「 THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS仙石原」へと到着した。



最終日の夜のブラックタイディナーではコンテストの授賞式がおこなわれた。「Most Elegant Car」は1931年ロールス・ロイスファントム、「Most Original Car」は1967年ランボルギーニミウラP400、「Most Desirable Car」は1961年フェラーリ250GTが受賞し、3日間の日程が終了した。



最終夜はコンテストの授賞式を開催。再びラルフ ローレン ジャパンのジェイ・キンプトン社長(当時)が合流し、3つのアワードに輝いたモデルが表彰された。

Tour d'Elegance Japan 2021の主催者であり、実行委員を務めたポール・ゴールドスミス氏は「参加された全員がこのイベントにとても満足してくれました。そして、来年もこのようなイベントが開催されることを期待してくれています。参加台数を限定し、コンパクトなイベントとしたことが、参加者同士をより親密にしたのではないかと思います」と語った。絵になるような参加者が創り上げるこのイベントは、クラシックカーツアーの新しいスタイルを生み出すきっかけになるかもしれない。


文:渡瀬基樹 写真:尾形和美、佐藤亮太、Claire and Ayesh
Words:Motoki WATASE Photography:Kazumi OGATA, Ryota SATO, Claire and Ayesh
Special Thanks:RALPH LAUREN JAPAN, GRAFF, ROLLS-ROYCE MOTOR CARS, CORNES MOTORS

文:渡瀬基樹

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