ベンテイガEWB アズールファーストエディション発表|移動の先にある最上級のウェルビーイング体験とは

Bentley

ラグジュアリーSUVの扉を開いたベントレーベンテイガに、さらなるウェルビーイングをもたらすべく開発されたベンテイガEWB。そのプレゼンテーションイベントもまた、心地よさとは何かを問いかける興味深いものだった。



2015年に誕生し、ラグジュアリーSUV市場を開拓したベンテイガが次世代に向けた新たなベンチマークとなるべく発表したベンテイガEWB。

既報の通り、ベンテイガEWBはベンテイガのホイールベースを180mm延長、後席足元を大幅に拡張したことが最大のトピックだが、その根底に流れるのはすでに実施にむけて活動を開始しているエクストラオーディナリー・ジャーニーに集約される比類なき移動体験への追求だ。

そのためにまず注力されたのはリヤキャビンだが、新登場の「ベントレーエアラインシートスペシフィケーション」では過去に類を見ない先進技術が投入された。オートクライメートシステムは乗員の体温と表面湿度を検知し、ヒーターかベンチレーター、またはその両方を作動させ、乗員が快適と感じる温度を保てるように調整される。また姿勢調整システムはシート表面全体の圧力を測定し、乗員の着座位置と圧カポイントを自動的に微調整する。このシステムには独立した6つの圧カゾーンがあり、3時間単位で177箇所の圧力を個別に変化させることで快適性を向上させ、移動中の疲労を最小限に抑えるようになっているようだ。リアシートを「リラックス」モードにすると40度までリクライニングでき、それと同時に助手席が前方に移動し、助手席後部からフットレストが展開する。「ビジネス」モードにするとリアシートが起き上がり、移動中も快適に仕事ができるよう配慮されている。

ベントレーモーターズのエイドリアン・ホールマーク会長兼CEOは「移動中の乗員のウェルネスにここまでこだわり抜いたクルマはベンテイガ EWBがベントレーで初となります。ベンテイガEWBは比類なきインテリアデザインの中に世界初の技術を取り込んでウェルネスを向上させ、その持ち味を大幅に進化させています。カーボンニュートラルを実現したクルー工場の職人達の卓越した技術と最先端技術とが融け合うベンテイガ EWBは、どの席に座っても最高に快適な究極のラグジュアリーSUVです」とコメント。

展示された特別仕様のアズールファーストエディションには22インチ10本スポークディレクショナルホイールが配されている。リアキャビンは延長されたホイールベースによって、広大な足元スペースを作っている。4+1座のシート配列は、必要に応じて5人目の乗員が着座可能。

日本での実車のお披露目となった3月30日、4月1日の発表会は車両パフォーマンに関してのプレゼンテーション以上に、ウェルビーイングを前面に押し出したプレゼンテーションの形態をとっていたことにもベンテイガEWBのコンセプトが明確に見られる。

場所は六本木ヒルズの『ヒルズカフェ』。六本木ヒルズを往来する人の流れを眺めながらゆったりとカフェを楽しむことのできるこちらは各種イベントやワークショップも頻繁に開催され、さしずめライフスタイル全般における発信地かつコミュニティの役割を果たしている。そんな場所で4月1日に開催されたベンテイガEWBの発表会は車のそれとしてはかなりユニークなものだった。

平時と趣の変わったヒルズカフェのエントランスに足をとめる人もしばしば見られた。

開始時間は朝8時。走行目的の試乗会の集合であればよくあるタイムスケジュールながら、さすがに発表イベントで土曜日の朝8時開始は早い。参加したのは自動車ジャーナリストら10名弱。ベントレーモーターズジャパンからの会の趣意説明があり、はじめてこの会がウェルビーイングのための“朝活”だということが発表された。

「みなさん、1分間に何回呼吸されていますか」。ワークショップは2010年ミスインターナショナル日本代表で、現在はウェルビーイングを軸に活動されている金ケ江悦子さんによる問いかけからはじまった。「10回」「30回」いや「100回」。そんな声があがるなかで金ケ全身の力を抜いて呼吸に集中する。全身に酸素が行き渡るイメージが心地いい。

華道や合気道など日本の美についても探求している金ケ江悦子さん。

続いて用意されたのは数十個の透明な瓶。こちらは目黒にある『inioilab.(イニオイラボ)』による香りのワークショップだ。代表の守屋Kスケさんのプレゼンテーションによると、店舗では30種類のフレグランスの中から好みの香りを3つまで選んで調合( 1種類でも可)。この組み合わせにより、4060通りの香りが生まれるとのこと。普段何気なく嗅いでいる香りにあらためて向き合うことで、自身と向き合うことを促されるのは新鮮な体験だ。

目黒にある『inioilab.(イニオイラボ)』が用意したのは30種の香り。店舗ではこれらを調合して好みの香りのシャンプーやトリートメント、ヘアオイルが手に入る。

『inioilab.(イニオイラボ)』代表の守屋 Kスケさんの香りのプレゼンテーション。

展示されたベンテイガEWBアズールファーストエディションには22インチ10本スポークディレクショナルホイールやNaim for Bentleyプレミアムオーディオほかいくつかの特別仕様が奢られる。もちろんそれら装備はより快適なドライビング体験のための装備にほかならない。ただし、忘れてはいけないのがこれが間違いなくドライバーズカーであるということだ。フライングスパーで導入されたエレクトロニックオールホイールステアリングは高速時の安心の走りと低速時の扱いやすさを両立する(スタンダードなベンテイガよりも回転径が7%小さくなる)。4.0リッター32バルブのデュアルツインスクロールターボチャージャー付きV8ガソリンエンジンは最高速290km/h、0-100km/h加速4.6秒という性能を発揮する。

深呼吸をし、朝の香りを身体に取り込み、その先にベンテイガEWBとの時間を想像する。晴天の午後は間違いなく充足した時間になるはずだ。


構成・文:前田陽一郎(オクタン日本版編集部) Words:Yoichiro MAEDA(Octane Japan)

前田陽一郎

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