デクスター・ブラウン"Famous Faces, Famous Cars"展|モータリング・アートの第一人者の到達点

デクスター・ブラウン

デクスター・ブラウンは、モータリング・アート界の第一線で50年以上にわたりその名を馳せている。2015年2月、ロンドンで開催された彼の個展"Famous Faces, Famous Cars"に出展された最新作をご紹介しよう。

デクスター・ブラウンは、初のモータリングアーティストのひとりである。刺激的でオリジナリティーに溢れる印象派独特の動きの表現、そしてビビッドなカラーのインパクトを取り入れ、半世紀以上にわたり絵に人生を捧げている。

今回、デクスター・ブラウンの作品展を催したのはオークションハウスのボナムスだ。展示されたのは、猛スピードで疾走する車、映画スター、刺激的なアクション、印象的なポートレートなど、彼の様々な被写体に対する興味を再考し織り交ぜた最新コレクションだ。

ブラウンはロンドンのハーロウ・スクール・オブ・アートで美術について学んだ。彼は情熱を持ってレースカーを描いていったが、講師たちはこうした作品に興味を示さず、また他の生徒たちも困惑していたという。1963年に画家として自立、彼らにその実力を証明していった。

1965年になると、彼の作品はレーシングドライバーが集まる"ステアリングホイール・クラブ"や、ピニンファリーナ・スタジオの人々を魅了するようになっていた。1967年には、アメリカのバージニア州にあるモンテカルロギャラリーで初の個展を開いたのを皮切りに、レーシングカーだけにとどまらず、様々なテーマを題材に選び、数多くの個展を開いている。

彼の動きに対する卓越した表現力は、素材との物理的な関係性によって生み出される。カンバスの間近で色を塗っては後ろへ下がり、また近づいて、納得のいく印象を描き出していく。

「私は表面の奥を見ているのです。つまり実際には、絵の表面はまったく見ず、カンバスから離れたときに見えるであろうものをイメージしながら色を重ねていきます」

彼は題材の輪郭を描くことはしない。代わりに大量のスケッチを手掛かりに色を塗っていく。

「私は、内側から外側に向かって描いていくという、ピカソのアプローチが好きなのです。ピカソは耳たぶや小鼻など、どこからでも描きはじめることができると考えていました。私も車のどのパーツからでも描くことができます」


フォース・インディアF1"アートカー"を描くデクスター・ブラウン。この車は2011年にチャリティーオークションに掛けられ、収益の16万8000ポンドは、グレート・オーモンド・ストリート小児病院とフォース・インディア基金に寄付された

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編集翻訳:伊東 和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation: Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:渡辺 千香子(CK Transcreations Ltd.)Translation: Chikako WATANABE (CK Transcreations Ltd.) Words:Giles Chapman

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