デクスター・ブラウン"Famous Faces, Famous Cars"展|モータリング・アートの第一人者の到達点

デクスター・ブラウン



1960年代の世代の多くの人々と同じように、ブラウンもまた、アメリカ映画『イージー・ライダー』に魅了たしまし動感。「るあでりとひたれさね。1969年に公開されたこの映画は、当時の反体制文化とロードムービーを合わせたもので、新天地を切り開きました」映画のシーンをイメージしたこの絵には、ハーレーダビッドソンベースのチョッパー、"キャプテンアメリカ"に跨るピーター・フォンダが、金色に輝く太陽、焼けつくようなアスファルト、そして長く伸びた影と共に描かれている。彼はジャンルを問わず映画を愛してやまないという。「私はただ、幸せな気分にさせてくれる映画が好きなのです。1977年の『スター・ウォーズ』をはじめ、子供たちを連れて映画館に行くことは、シングル・ファーザーとして一番楽しかった思い出のひとつです」




轟音に包まれるル・マンで走り抜ける、ベントレー4.リッター・ブロワーとティム・バーキン。「私がブロワー・ベントレーを描いたのは、この車に乗ったティム・バーキンを描きたかったからで、楽しみながら完成させました。ベントレーをダークでヘビーな印象に仕上げるのは、容易いことだったでしょう。確かに重厚感のある車ですが、私はティムの大きな赤と白の水玉模様のスカーフを使うことによって、ベントレーとティムをリンクさせ、明るさをプラスしました」




テレビもまた、デクスター・ブラウンを引きつけるもののひとつだ。「テレビは、私と妻、二人が好きなものを見ます。ひとりで見るのではなく一緒に見て、それについて話をするのです。私はずっとモース警部の大ファンでした。そこで今回はジョン・ソーのシリアスな雰囲気とバランスをとる要素として、ジャガーをプラスすることにしました。これもまた車が中心のようで、中心ではないような、少し視点を広げてみたのです。このバラエティに富んだ構図に人々がどれくらい混乱するのか、まったく想像がつきません」




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編集翻訳:伊東 和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation: Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:渡辺 千香子(CK Transcreations Ltd.)Translation: Chikako WATANABE (CK Transcreations Ltd.) Words:Giles Chapman

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